外資系企業が求める人材像

外資系企業が求める人材像

ここでは、外資系企業が重視している能力やスキル、人物像についてご紹介したいと思います。外資系企業が求めるポイントは、大きく下記の2つに分けることができます。

  • デジタルスペック(専門知識・経験・スキル・語学力・資格・学歴など)
  • アナログスペック(人間性・志向性・価値観など)

デジタルスペックとは、履歴書や職務経歴書である程度判断ができるような、客観的に測定可能な評価要素のことを指し、アナログスペックとは、人柄のように客観的な測定が難しい評価要素のことを指します。

ここでは、それぞれのポイントについて、外資系企業が求めている人材像を説明していきます。

外資系企業が重視するデジタルスペック

外資系企業の多くは日本法人・日本支店における採用活動にも力を入れているものの、いざ実際に外資系企業のHR担当者に話を聞いてみると、多くの担当者が求める人材の採用に苦労しているという回答が返ってきます。

彼らは、一体どのような能力・スキルを応募者に対して求めているのでしょうか。

JETRO(日本貿易振興会)が2000年に公表した外資系企業2,774社に対して実施したアンケートによると、外資系企業が重視する能力は、職種に応じて下記のようになっています。

今後採用で
増える職種

重視する能力

1位

2位

3位

4位

技術系の中途者

技術力(67.0%)

専門知識(52.7%)

外国語能力(45.1%)

研究・専門能力(25.0%)

事務系の中途者

営業・販売 能力 (54.4%)

外国語能力(48.5%)

専門知識(39.8%)

事務能力(31.6%)

マネジャー
クラス

管理能力(64.2%)

外国語能力(54.5%)

指導能力(38.8%)

専門知識(31.3%)

技術系の新卒者

技術力(60.8%)

外国語能力(46.1%)

専門知識(39.2%)

将来性(32.4%)

事務系の新卒者

外国語能力(61.7%)

営業・販売能力(44.4%)

将来性(42.0%)

事務能力(40.7%)

(※JETRO「第6回対日直接投資に関する外資系企業の意識調査(PDF形式)」より引用)

特徴としては、大きく「専門性」「語学力」の2点が共通して求められており、マネジャークラスの場合は管理能力や指導能力などもより重視される、という傾向にあります。

また、技術者の場合には語学力よりも技術力そのものを求める傾向が強いことも分かります。

上記の調査は2000年と少し古いデータとなりますが、現在の外資系企業の傾向も上記と大きく変わりません。

特に日本市場においては「語学力」が高い求職者を見つけることが他国と比較すると困難だと感じている外資系企業のHR担当者は非常に多く、専門的なスキルや知識以上はもちろんですが、高い「語学力」があるかどうかがまず大前提として重要になってくると言えます。

外資系企業が重視するアナログスペック

次に、語学力や専門知識・スキルなどではなく、人間性や志向性といったアナログな評価ポイントについて、外資系企業が求めているポイントを見ていきます。

外資系企業のHR担当者から採用の条件として聞くことが多いポイントとしては、下記が挙げられます。

  • 積極性(自己主張する力)
  • コミュニケーション能力
  • リーダーシップ
  • ユニークさ
  • セルフマネジメントができるか

外資系企業の採用担当者が口を揃えて求めるのが、「積極性」と「コミュニケーション能力」の2つです。

外資系企業においては指示を待っているだけの人間は全く評価の対象となりません。自ら顧客や同僚に対しても積極的に働きかけ、成果を出すために能動的に仕事を進めていく主体性を強く求められます。

そして、外資系企業の場合は社員が多国籍となるケースも多く、様々なバックグラウンドを持った社員と共に働くケースが多いので、そうした多様性を受け入れ、自己主張が強いメンバーとともにチームワークを進められる、高いコミュニケーション能力が求められます。

極端な話、いくら英語力が高くてもコミュニケーション能力が低ければ、外資系では採用まで至りません。

また、外資系企業の特徴として、社員一人一人にリーダーシップを求める傾向が強くあります。リーダーシップというとリーダークラスやマネジメントクラスだけが対象となる話に思われるかもしれませんが、実際にはアソシエイトクラスの採用においてもリーダーシップを人物評価の最重要項目として置いている外資系企業も多数存在しています。

そもそもリーダーシップとは相対的なスキルであり、プロジェクトやチームによってはアソシエイトでもリーダーの役割を果たさなければいけないケースはありますし、加えてリーダーシップがある人材はリーダーの気持が良く分かるため、フォロワーとしても優れた役割を果たすことができるという考えが前提となっているので、外資系企業ではとにかく社員ひとりひとりにリーダーシップを要求するケースが多いのです。

そして、日系企業と大きく違う点として、外資系企業では「ユニークさ」という点も大きな評価ポイントとなります。多少癖があるくらい個性的なほうが、外資系企業では評価が高まるケースが多いのです。

最後に、セルフマネジメントができるかどうか、という点も良く見られています。

アメリカ系の企業では、肥満であるだけで自己管理能力がないと見なされてしまうとよく言われますが、体型などの健康管理だけではなく、仕事に対するモチベーションや向上心なども含めて、セルフマネジメントがしっかりできている人材かどうかという点も評価のポイントとなるようです。

最後は、一緒に働きたいと思ってもらえるかどうか

外資系企業は、上記のように様々なデジタルスペック・アナログスペックを入社者に求めていますが、実際、最終的に採用するかどうかが何で決まるかというと、最後は面接官となる将来の上司が「あなたと一緒に働きたいと思ってくれるかどうか」という点となります。

外資系企業の場合、配属予定の部署の直属の上司が面接官を担当するのが通例ですので、その上司とフィーリングが合えば採用確率は高まりますし、いくら優秀な能力があったとしても、フィーリングが合わなければ採用には至りません。

こればかりは人間の相性というものもありますので、対策のしようがありませんし、仮に自分を見繕って相手に合わせてコミュニケーションをとったとしても、入社後に苦労するのは自分ですから、おすすめはできません。

企業が求める能力や要件に見合うよう、自分自身を研鑽する必要はもちろんありますが、最後の最後は必要以上に自分を飾ることなく、自然体で面接に臨みながら相性を見極めることが重要です。

外資系企業の場合、採用だけではなく入社後の人事評価も直属の上司が行うケースが多いので、とにかく上司との相性は重要です。ぜひそのことも頭に入れておきましょう。

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