外資系企業とは?

外資系企業とは?

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外資系企業と言えば、少なくとも日本企業ではなく外国の企業や外国人が資本参加している企業だということは分かると思いますが、実際には一口に「外資」と言っても、その形態には様々なものがあります。

最近では日本企業と海外企業の資本提携や合弁会社、買収なども頻繁に起こるようになってきているので、とある大手日系企業がある日突然外資系企業となることも珍しくありません。皆さんの良く知っている企業が意外にも実は外資系だったということも良くあります。

日本に存在している外資系企業をその資本状態や進出形態に基づいて整理すると、下記の4タイプに分類することができます。

  • 100%外国資本の日本法人(外資系企業の100%子会社)
  • 外国企業と日系企業の合弁会社
  • 外国企業が日系企業を買収し、資本参加
  • 外国企業の日本支社・日本支店(法人格はなし)

ここでは、それぞれのケースについて特徴や主な事例をご紹介していきます。

100%外国資本の日本法人(外資系企業の100%子会社)

外資系企業の中でももっともメジャーなのは、外国企業が日本に現地法人として100%子会社を設立している場合です。日本IBM、マイクロソフト、インテル、デュポンなどのメーカー系の企業はこの形態で進出するケースが多く、日本に工場や研究所など大規模な施設を持っていることもあり、本格的な進出だと言えます。

100%外資の場合には日本法人だとしても経営上は本国の影響が非常に強く、本国へのレポートラインがしっかりと機能しており、経営戦略や事業戦略、営業戦略はもちろん、人事戦略も含めて本国の意向が最重要視されるのが一般的です。

外国企業と日系企業の合弁会社

外国企業が、日本で事業を展開するにあたり、同業界・同業種の日本企業と合弁会社を設立するというケースも良く見られます。日本への進出にあたり、顧客チャネルや流通チャネルなど、日系企業が既に持っている日本国内のビジネス資産を活用してスムーズに日本市場への展開を図りたい場合などに、合弁企業の設立という形態がとられます。

合弁企業の場合は、外国企業と日系企業の資本比率によって、ガバナンススタイルは大きく変わります。パターンとしては、外国企業の資本比率が51%以上、50%、49%以下、という3パターンに分けられますが、51%以上の場合は外国企業主導であり、49%以下の場合であれば、日系企業主導と考えることができます。

こうした資本比率は一見些細なことのように思えますが、合弁会社の場合はどちらの株主によるガバナンスがより影響力を持つかという点が戦略や組織体制など全てに影響してくるため、注意してチェックする必要があります。

外国企業と日系企業による合弁企業の代表例としては、日本マクドナルド、ケンタッキーフライドチキン、富士ゼロックスなどが挙げられます。

外国企業のメーカーが販売している製品やサービスの日本市場における独占販売権を得るために、総合商社が外国企業と合弁企業を設立し、日本市場においてその製品やサービスの流通を独占するというケースも良く見られます。

外国企業が日系企業を買収し、資本参加

最近では、外国企業が日系企業を買収して傘下に入れるケースも増えてきています。日系の大手企業も今やグローバルな競争環境にさらされており、グローバル市場における生き残りをかけて、外国企業の傘下に入ることを選択するケースも増えてきているのです。

代表例としては、フランスのルノーに買収された日産自動車や、ドイツのダイムラークライスラーに買収された三菱自動車などが挙げられます。

外国企業に買収された場合、今まで日系企業だった企業がある日突然外資家企業となることになります。買収に伴い経営陣が買収先企業の外国人へと刷新されるケースもありますので、経営方針や戦略、社風などが一気に変わることもあります。

外国企業の日本支社・日本支店(法人格はなし)

日本において現地法人は設立せずに、あくまで日本支社や日本支店、日本事務所という位置づけで事業展開をしている外国企業も存在しています。

マッキンゼー・アンド・カンパニーやボストンコンサルティンググループなどの外資系コンサルティングファームや、外資系金融機関、P&Gなどが代表例として挙げられます。

この場合、支店の統括は当然ながら本国となりますので、極めて本国の影響を強く受けることとなります。

応募先・転職先企業の資本状況・進出形態を理解しよう

外資系企業に転職をお考えの方は、応募する企業の資本状況や進出形態をしっかりと把握するようにしましょう。

また、企業によっては、最初は合弁企業として日本に進出したものの、現在では外国企業が日系企業の株式を買い取って100%子会社の現地法人としている場合や、その逆に外国資本は既に撤退しており、現在はブランド名だけを残して事実上は日系企業として事業を継続している場合など、複雑な経緯を持っているケースもあります。

こうした過去の経緯や現在の状況をしっかりと把握することは、その企業のガバナンス状況や事業戦略、人事システム、社風などを理解する上でも大変役立ちます。

外資系企業といって一括りに考えるのではなく、ぜひ掘り下げて企業分析をするようにしましょう。

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