韓国系の外資系企業

韓国系の外資系企業で働く

ここでは、韓国系企業の特徴や魅力、デメリットなどについて詳しくご紹介していきます。韓国系企業に興味をお持ちの方は、ぜひ参考にしてください。

韓国のマーケット状況

韓国

韓国は、2011年現在の名目GDPで世界第15位、アジアでは日本、中国、インドに次ぐ第4位の経済大国となっています。

韓国は1997年に一度経済危機に陥り、IMFの管理下に置かれましたが、2000年以降は総じて順調に経済成長を続けており、最近では特にエレクトロニクスや自動車、携帯電話・ハイテクといったかつての日本が得意としていた産業で韓国系企業がグローバルシェアを高めてきています。

韓国が近年グローバル市場の中で急激に存在感を高めている背景としては、そもそも人口が約4,900万人と日本の半分程度と内需も限界がある上に天然資源にも乏しく、必然的に外需に依存せざるを得ない経済体質であったため、政府が主導となって韓国企業の国際競争力を高める取り組みを続けてきたという点が挙げられます。

国家戦略として注力産業をエレクトロニクス・自動車など一部の産業に絞り込み、サムスン電子や現代自動車など、財閥系企業による独占的な産業構造を保護しつつ、政府によるトップセールスやFTA締結などで国際競争力を高めるための取り組みを進めるなど、政府が主導となってグローバル経済を勝ち抜くための経済戦略を推進してきた点が、現在の躍進につながっています。

また、最近ではK-POPなどをはじめとしたコンテンツ・音楽産業の輸出にも力を入れており、資源に乏しい国ならではの高付加価値ビジネスへの転換が進んでいます。

韓国の英語教育は日本よりも遥かに進んでおり、グローバル人材教育という面でも長期的な国際競争を見据えて積極的な取り組みを行っています。

韓国系企業の特徴

韓国系企業の主な特長としては、下記が挙げられます。

  • 内需より対外マーケット向けの加工貿易が主軸
  • 一部の財閥系企業がグローバル企業として経済を牽引している
  • トップダウン型で意思決定スピードが速い
  • 主要金融機関の外国資本比率が非常に高い
  • エレクトロニクス・自動車・造船などが強い

韓国は外需向け加工貿易を軸として経済成長してきた国であり、現在ではサムスングループ、LG電子、現代(ヒュンダイ)など一部の財閥系企業がグローバル企業としてシェアを獲得しています。これらの財閥系企業はオーナー企業のため意思決定が非常に早い点が強みとなっており、日本の大手メーカー勢もグローバル市場で厳しい戦いを迫られています。

韓国企業は日本企業よりもコスト競争力がありながら、品質面では日本勢と同等の優れた製品を提供することでシェアを拡大し続けており、韓国企業のブランドイメージも年々向上し続けています。

世界最大のブランドコンサルティング会社「インターブランド」が発表したグローバルブランド価値評価ランキングによれば、サムスンがトヨタを抜いてマクドナルド、インテルに次ぐ10位にランクインするなど、韓国勢のグローバル躍進が続いています。

人材マーケットに目を移せば、韓国勢による日本メーカーのベテラン技術者人材の引き抜き競争も熾烈な状況となっています。

韓国系の代表的な企業

日本において知名度が高い韓国系企業としては下記が挙げられます。

サムスングループ

  • サムスン電子
  • サムスン電機
  • サムスンSDI など

LGグループ

  • LGエレクトロニクス
  • LGディスプレイ
  • LG化学 など

現代(ヒュンダイ)自動車グループ

  • 現代自動車
  • 起亜自動車
  • 現代モービス
  • 現代重工業 など

その他

  • ポスコ
  • NHN Corporation
  • 農心

韓国の主な財閥グループおよび有名企業

サムスングループ

サムスングループ(三星グループ)は韓国最大の財閥企業です。韓国最大手の家電メーカーであり、社員数19万人を誇る韓国最大の企業として2012年のフォーチュン・グローバル500では世界企業ランキングで20位にも選ばれたサムスン電子をはじめ、総合電子部品のサムスン電機、薄型パネルのサムスンSDIなど60以上の企業からなる財閥グループです。2007年の売上高は約21兆円となっており、サムスングループの経済状態は、そのまま韓国の経済状態と言ってもいいほど強い影響力を持っています。

日本でも日本サムスンを展開しています。最近では日本でも家電を始めサムスン製品が数多く出回っていますので、普段から目にする方も多いのではないかと思います。今や、「SAMSUNG」はグローバルブランドとなっています。

LGグループ

LGグループは韓国の財閥で、中核企業としては韓国電機業界でサムスン電子に次ぐ大企業であるLGエレクトロニクスや、韓国の最大手総合化学メーカーであるLG化学などが挙げられます。

LGエレクトロニクスは世界110拠点に展開しているグローバル企業で、テレビ全体の売上高世界シェア3位、携帯電話市場でも世界シェア3位など、韓国を代表する電機メーカーとしてサムスンと並び韓国経済を牽引しています。日立製作所との部門合併などもしています。

LG化学は米国GMの電気自動車用リチウムイオンバッテリーを単独供給するなどグローバル展開を進めており、日本企業との連携についても、アルミサッシ業界最大手の住生活グループ、トステムと合弁会社を設立するなど、積極的な展開を見せています。

現代(ヒュンダイ)自動車グループ

現代自動車グループ(Hyundai Automotive Group)は、韓国最大手自動車メーカー現代自動車と、その傘下にある起亜(きあ)自動車を中核とした企業グループのことを指します。

現代自動車グループの乗用車・トラック・バスなど全ての車両の世界規模生産台数では世界6位、アジアの自動車メーカーとしてはトヨタに次ぐ規模となっており、販売台数では既に日産とホンダを追い抜いています。自動車を中心として自動車部品や鉄鋼、重工業、物流、建設など幅広い事業を手掛けています。

ポスコ

ポスコは韓国最大の製鉄会社で、2005年には韓国企業として初めて東京証券取引所に上場し、現在ではニューヨーク証券取引所、ロンドン証券取引所にも上場しています。ポスコの外国人持ち株比率は半数を超えており、韓国系企業というよりはグローバル資本による企業体となっています。新日本製鐵とも戦略的互恵関係にあり、互いに株を持ち合っています。

NHN Corporation

NHN Corporationは韓国最大のインターネットサービス会社で、Next Human Networkの頭文字をとってNHNと名付けられています。NHNが運営する検索エンジン「Naver」は韓国の検索エンジン市場シェアで80%を誇っています。また、オンラインゲーム事業では「ハンゲーム」を運営しており、韓国市場では売上No,1となっています。

日本法人としては100%子会社としてNHN Japanを展開しており、「Naverまとめ」、「LINE」などの代表的なインターネットサービスを数多く生み出したことで、日本のIT業界の中でも人気企業の一つとなっています。

農心

株式会社農心(ノンシム)は韓国の製麺・インスタント食品・スナック菓子の大手企業で、日本でも知名度が高い代表的な商品としては「辛ラーメン」が挙げられます。日本では農心ジャパンを展開しており、2011年度には約40億円を売り上げています。

韓国系企業で働くメリット

韓国系企業で働くことで得られる代表的なメリットとしては、下記が挙げられます。

  • グローバルサプライチェーンの中でビジネスができる
  • スピード感のあるビジネス環境の中で仕事ができる
  • 組織の風通しが良くダイバーシティが根付いている
  • 福利厚生がしっかりしている

サムスン電子のようなグローバルブランドをはじめ、韓国のトップ企業はグローバル市場を前提にビジネスを展開しているため、ダイナミックなグローバルサプライチェーンの中でビジネスができ、その規模感の大きさを魅力に感じる方も多くいます。また、日本の大手企業にはないスピード感のある意思決定や風通しの良さなども魅力です。

韓国系企業で働くデメリット

韓国系企業で働くことで得られる代表的なデメリットとしては、下記が挙げられます。

  • 韓国語・韓国の文化に馴染めないと仕事がしづらい
  • 年功序列型で給料が上がりづらいことも
  • 韓国本社の命令が絶対で自由がない

韓国系企業で働く場合、韓国語ができるかどうかが働きやすさや出世の面でも大きく影響してくるようです。また、仕事以外でもウェットな人間関係を築くことを好む韓国のビジネス文化などに適応できるかどうかが大事という方もいます。そして、韓国の大手企業では、日本の大企業と同様に年功序列型で、転職をしない限りはなかなか給与のアップが望めない、という方もいます。

韓国系企業で働くためには?

同業界における業務経験に加えて、韓国が好きで、韓国語を話すことができるという方であれば、営業職・マーケティング職など韓国系企業の日本法人における採用の門戸は幅広く開いていると言えます。また、日系大手メーカーで働いていた技術職の方などは、語学力に関わらず採用されやすいと言えます。

韓国系の大手企業に転職を考える場合、韓国系企業というよりはグローバル多国籍企業への転職だと考えるのがよいでしょう。

韓国系企業で求められる語学力

韓国系企業の日本法人の場合、営業職などでは韓国語が求められるケースが多くなります。ただし、入社後の韓国語研修がしっかりと用意されているケースもあるので、韓国語が必須というわけではありません。

韓国系企業の多くは世界中に拠点展開をしているグローバル企業であり、マネジメントクラスは英語が話せて当たり前ですので、英語力も重要となるでしょう。

韓国系企業の年収レンジ

韓国系企業の大手であれば、日本の一部上場企業と同程度かそれ以上の給与がもらえます。20代で400~600万程度、30代で600万~900万といったイメージとなります。専門技術職やマネジメント層ともなると1,000万円以上の給与も決して珍しくありません。

大手企業は福利厚生が充実しているところも多く、待遇面では比較的恵まれた環境で働けることが多いようです。

韓国系企業はこんな方におすすめ

下記に当てはまる方は、韓国系企業への転職がおすすめです。

  • グローバルなビジネス環境で仕事をしたい方
  • 韓国が好きな方・韓国語を活かして仕事がしたい方
  • マーケティングセンスを磨きたい方
  • 意思決定が早く、多様性のあるフラットな組織で働きたい方

韓国が好きな方や韓国語を使って仕事をしたい方はもちろんですが、グローバルでスケールが大きい仕事がしたい方や、フラットで風通しが良い社風の中で働きたい、という方にもおすすめです。また、韓国系の大手メーカーは、日本の大手メーカーのような技術志向ではなく、マーケティング志向が強いため、「ものづくり」志向の方よりは「マーケティング」センスを磨きたいと言う方のほうが向いているかもしれません。

韓国系企業に強い転職エージェント

韓国系企業に強い転職エージェントとしては、下記が挙げられます。

韓国系企業の日本法人における求人は、ほとんどが非公開求人となっています。大手メーカーの求人としてはグローバル関連の求人や技術職関連の求人が豊富に存在しています。また、最近ではインターネットサービスなど新しい産業における求人も増えてきています。

リクルートエージェントは非公開求人数が網羅されており、韓国エリアの求人も豊富に保有しているので、ぜひとも登録しておきたいところです。アデコも世界最大の総合人材会社として多数の外資系求人を保有しており、おすすめです。また、JAC Recruitmentもアジアに多数拠点を展開しており、外資系企業に特化したコンサルタントの質が非常に高い点が魅力です。まずは上記3社全てに登録してみて、転職活動を進めながらメインの転職エージェントを絞り込んでいく、という形が良いでしょう。ぜひ有効に活用してみてください。

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