外資系企業とボーナス

外資系企業とボーナス

外資系企業は給与が高いというイメージをお持ちの方が多いと思いますが、外資系企業のボーナス事情はどのようになっているのでしょうか。

ここでは、一般的なケースに基づいて外資系企業のボーナス事情をご紹介していきます。

年俸制と業績・成果連動インセンティブ

外資系企業におけるボーナスを考える際には、まず下記の2つを明確に区別する必要があります。

  • 年俸制により予め決まっている金額
  • 個人の成果や企業の業績に連動して支払われる金額

それぞれの項目について詳しく説明していきます。

年俸制により予め決まっている金額

外資系企業の多くでは年俸制という給与システムを導入しています。年俸制の場合、前年度の人事評価に基づいて1年間で支払われる給与の総額(年俸)が決められ、年俸を予め定められた等分で毎月支給していく形となります。

そのため、年俸の支給が12等分支給の場合は、毎月支払われる給与は全く同じであり、日系企業にあるような夏・冬の賞与といったものはありません。

しかし、外資系企業によっては、年俸制の支給を14等分、16等分などにして、それぞれ夏・冬のタイミングだけ2か月分、3か月分などのように支払うケースもあります。

この場合、予め支払われるボーナスの金額は分かっているものの、特定の月だけ給与は増える形となりますので、日系企業におけるボーナスのような扱いとなります。

個人の成果や企業の業績に連動して支払われる金額

年俸で予め決められた金額以外にも、企業や職種によっては、個人の成果や会社全体の業績に連動した成果インセンティブが支払われるケースがあります。

日系企業の場合、ボーナスは夏・冬と年2回支払われるのが一般的ですが、外資系企業の場合、年に一度、2月以降~5、6月にかけて「決算賞与」という形で支給されることが多い傾向にあります。

前年の個人的な評価や会社全体の業績が優れている場合、非常に多くのボーナスがもらえますが、成果を出せなかった場合や会社全体の業績が不振の場合、ほとんどボーナスが出ないこともあり、日系企業のボーナスと比較すると上下の振れ幅が大きいのが特徴です。

一般的に、営業職や外資系企業のトレーディング部門など、いわゆるフロント部門(売上を上げる部門)に配属されている社員はこの成果インセンティブが大きく、バックオフィス部門の社員は成果インセンティブが少ない傾向にあるようです。

また、フロント部門の社員は個人の成績がボーナス評価の主な対象となり、バックオフィスの社員は個別に売上を上げるわけではないので、全社の業績自体がボーナス評価の対象となるといったように、社員の配置によってボーナスの支給額を決めるための評価基準を変えている企業もあります。

人材引き抜き時に用意される「サイン・オン・ボーナス」

外資系企業の場合、年俸制の等分や成果・業績インセンティブとは全く別に、採用予定の企業から入社時に支払われる「サイン・オン・ボーナス」というものも存在しています。

これは主にシニア、エグゼクティブクラスのポジションの求人に限られますが、採用企業がどうしてもその人材を獲得したいとき、入社のサインをしてもらう見返りとして高額なボーナスを支払う慣習があるのです。

しかし、「サイン・オン・ボーナス」の場合、入社後1年間以内の退職した場合には全額返還などの条件が付くこともしばしばあります。

入社するだけでボーナスが貰えるというのは日系企業では考えられないような仕組みですが、人材の引き抜きやヘッドハンティングが日常的な外資系企業においては、優秀な人材を獲得するためにこうした様々なインセンティブを用いて日々、採用競争が繰り広げられているのです。

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