インド系の外資系企業

インド系の外資系企業で働く

ここでは、インド系企業の特徴や魅力、デメリットなどについて詳しくご紹介していきます。インド系企業に興味をお持ちの方は、ぜひ参考にしてください。

インドのマーケット状況

インド

グローバルなビジネス環境の中でも近年特に存在感を増してきているのがインドです。インドの名目GDPは2011年現在、世界10位、アジア3位を誇り、既にカナダ、オーストラリア、韓国などを上回っています。GDPの成長率も9%を超えており、国民所得も上昇し続けています。

急速な経済発展が続くインドは、2020年までには世界トップクラスの経済大国になると予測されており、まさにこれから本格的にその重要性が増してくる国だと言えます。

このインドの経済成長を牽引しているのが、IT業界です。インドは欧米をはじめとした先進国企業のオフショア開発拠点としてIT業界のグローバルサプライチェーンの中でも非常に重要な役割を持っており、2010年時点で600億円規模のアウトソーシング事業がインドで実施されています。

インドの競争力は、安い人件費だけではありません。80年代から欧米企業のオフショアビジネスを国家戦略として推進してきたため、優れたオフショアノウハウを持っている上、非常に高度な技術力を持ったエンジニアが若手を中心に非常に豊富にいること、インドは世界三大英語圏国家の一つでもあり、コミュニケーション上のハードルが低いことなど、様々な優位性を成長ドライバーとして、産業発展を続けています。

今後はハイテク、通信、自動車産業分野において更なる市場拡大が見込まれており、経済発展に伴い国民所得も向上していることから、内需の消費財・サービス市場も拡大し続けています。

インド系企業の特徴

インド系企業の主な特長としては、下記が挙げられます。

  • IT・ソフトウェア業界にグローバル企業が多い
  • 欧米など対外向け輸出が売上の多くを占めている
  • 従業員数万人を超える大手企業が多い
  • 開発における品質管理・プロジェクトマネジメント水準は非常に高い
  • 基本的に英語が公用語

インドといえばIT業界ですが、インドのIT企業の特徴としては、従業員数が数万人を超える大企業を中心に業界が構成されており、長年に渡るオフショア開発の豊富なノウハウを武器として、世界でも最高水準となる品質管理・プロジェクトマネジメントノウハウを有している、という点が挙げられます。

インド系IT企業の多くでは、あらゆる業務の標準化・プロセスコントロールが徹底されており、欧米企業の大規模なシステム開発案件にも耐えうるだけのプロジェクト体制構築が進んでいます。

インドの経済発展により人件費の競争力は今後低下していくと考えられますが、豊富な経験により磨かれたノウハウ・技術といったソフト面における強みが、今後のインド系企業の成長エンジンとなっていくと考えられます。

インド系の代表的な企業

日本において知名度が高いインド系企業と言えば、インドの最大手ITベンダー6社、通称「SWITCH(6社の頭文字)」ではないでしょうか?IT業界で働いている方であれば馴染みが深い方も多いかもしれませんが、いずれの企業も今やグローバルビジネスを展開する日系大手企業の重要なパートナーとして日本市場でも存在感を増してきています。

  • タタ・コンサルタンシー・サービシズ(Tata Consultancy Services Ltd)
  • インフォシス リミテッド(Infosys Ltd)
  • ウィプロ(Wipro Ltd)
  • サティヤム・コンピュータ・サービス(Satyam Computer Services Ltd)
  • HCL
  • コグニザント・テクノロジー・ソリューションズ(Cognizant Technology Solutions Corp)

タタ・コンサルタンシー・サービシズ(Tata Consultancy Services Ltd)

タタ・コンサルタンシー・サービシズは、ムンバイに本社を置く、インドIT業界最大手で、タタ・グループに属しています。世界50ヶ国、10万名の社員数を持つインド最大のアウトソーシング企業として有名です。GE、AT&T、IBM、マイクロソフト、モルガン・スタンレーなど、世界の名だたる企業を顧客としており、就職先としても人気が高い企業です。

日本にも進出しており、既に25年以上の実績があります。日本法人の社員数は500名程度となっています。

インフォシス リミテッド(Infosys Ltd)

インフォシス リミテッドは、バンガロールに本社を置く世界でも有数のIT企業です。日本における組織は本社インフォシスリミテッドに所属しているため、日本法人という扱いではなく、インフォシス日本支店と呼ばれることが多くなっています。

ウィプロ(Wipro Ltd)

ウィプロはバンガロールに本社を置くITサービス企業で、インドIT業界の中では第2位の規模を誇っています。日本にはウィプロ・ジャパンとして1998年に日本法人が設立され、現在ではグローバルビジネスを展開する日系大手30社以上と取引をしており、1500名以上のITエンジニアが従事しています。

サティヤム・コンピュータ・サービス(Satyam Computer Services Ltd)

サティヤム・コンピュータ・サービスはインド10大財閥の1つであるマヒンドラグループに属するICTサービス企業で、世界60ヶ国以上に進出しています。日本支社は1999年に設立され、既に10年以上の実績を積んでいます。

HCL

HCLはインドの上場企業HCLテクノロジーズとHCLインフォシステムズの2社から構成されるグローバルIT企業で、従業員90,000名、総売上高は62億ドルを誇っています。日本支社となるHCLジャパンは1998年に設立され、従業員数280名を抱えています。

コグニザント・テクノロジー・ソリューションズ(Cognizant Technology Solutions Corp)

コグニザント・テクノロジー・ソリューションズは1994年創業と比較的若い会社ですが、現在ではインドIT大手ベンダー6社の「SWITCH」の中で第5位の売上を誇っています。
日本法人となるコグニザントジャパン株式会社は2008年に設立され、現在は東京・大阪に拠点を置いています。

インド系企業で働くメリット

インド系企業で働くことで得られる代表的なメリットとしては、下記が挙げられます。

  • グローバル多国籍企業の案件に携われる
  • エンジニア・技術者の地位が高い
  • 世界最高水準の品質管理・プロセスマネジメントが学べる
  • 英語を活かして仕事ができる
  • 最先端のITビジネスに携わることができる

インドの大手企業に勤める日本人エンジニアの方が口を揃えて語る魅力の一つが、国内の大手企業をはるかにしのぐグローバル大手企業のプロジェクトに携わることができるという点です。

インドのIT大手企業は基本的にどの企業も多国籍グローバル企業として展開をしており、主要顧客はグローバル企業が中心となっています。そのため、日本国内の大手よりも更にスケールが大きい、グローバル市場における大手企業の案件に携わることができる機会が溢れているのです。

また、インドでは日本とは違いエンジニアの職業的地位が非常に高いので、エンジニアの方であれば誇りを持って働くことができます。

もちろん、英語を活かして仕事ができる点、最先端のグローバルITビジネスに関われる、世界最高水準のプロセスマネジメントが学べる、といった点も魅力です。

インド系企業で働くデメリット

インド系企業で働くことで得られる代表的なデメリットとしては、下記が挙げられます。

  • 人材の流動性が高い
  • 出世ができない
  • 上司とのコミュニケーションが取りづらい

インド系企業は日系企業と比べると人材の流動性が非常に高く、優秀な人材ほどステップアップのために短期間で退職することも珍しくありません。競合他社からより高いオファーを受けたら躊躇せずに転職をするのが一般的です。そのため、離職率が高く、辞めやすい反面、プロジェクトに急に穴が開いてしまうといったトラブルもあります。

また、インド系企業の場合、基本的にマネジメントポジションは優秀なインド人が占めており、社内での出世はできないので、スキルを身につけた後は再度転職したほうがよいという声も良く聞かれます。そして、上司となるインド人とのコミュニケーションに苦労されている方も多いようです。

インド系企業で働くためには?

エンジニアとしてスキルを積んでいる方であれば、多くのインド系大手企業への門戸が開かれていると言えます。現在はどの企業も積極的にエンジニア採用を続けていますので、多くのチャンスがあるでしょう。また、プロジェクトマネジャーやプリセールスなどの職種も募集していますので、前職の経験をアピールできる方であれば、外資系は初めてという方でも十分にチャンスがあります。

インド系企業で求められる語学力

基本的にはビジネスレベルの英語力が求められます。日系企業に常駐する場合、業務の中で英語を使用する機会はあまりないケースもありますが、多くの場合は上司がインド人で、レポートラインは全て英語でやりとりするというのが基本になりますし、顧客もグローバル展開している多国籍企業が多いので、英語力は高いレベルが求められると言えます。

インド系企業の年収レンジ

もちろん企業や経験・スキルにもよりますが、SWITCHのような大手ITベンダーの場合、20代後半~30代前半で500万円~700万円台ぐらいが平均的となっています。プロジェクトマネジャークラスになると900万~1200万円程度が相場となります。

インド系の企業だからといって給料が安いということはなく、むしろグローバル企業としての高い給与水準レベルにあると言えるでしょう。

インド系企業の場合は、成果さえ出すことができれば実力次第で昇給もしやすい上、転職による給与アップも望めるので、年収面では比較的恵まれていると言えそうです。

インド系企業はこんな方におすすめ

下記に当てはまる方は、インド系企業への転職がおすすめです。

  • グローバル企業の大規模プロジェクトに携わりたい方
  • 技術と英語の両方を磨きたい方
  • 優秀なインド人上司やスタッフと仕事をしてみたい方
  • 欧米系ITベンダーへのステップアップとしてキャリアを築きたい方

インド系大手のITベンダーであれば、優秀なグローバルエリートとして活躍しているインド人社員がいるため、多くの刺激を受けることができます。エンジニアとして技術だけではなくビジネス英語力も磨きたいという方には大変おすすめができます。

また、欧米系の外資ITベンダーやITコンサルティングファームへのステップアップするためのキャリアとして数年間、インド系のITベンダーで働いて力を身につけたい、という方にもおすすめです。

インド系企業に強い転職エージェント

インド系企業に強い転職エージェントとしては、下記が挙げられます。

インド系企業で日本に進出している企業はまだそこまで多くなく、内情に関する情報もウェブ上にはあまり掲載されていません。採用も非公開求人が中心となっていますので、実際にインド系企業とやりとりをしているキャリアコンサルタントに情報提供やアドバイスをしてもらうのが一番です。

リクルートエージェントは非公開求人数が網羅されているので、ぜひとも登録しておきたいところです。アデコもスイスに本社を置く世界最大の総合人材会社として多数の外資系求人を保有しており、おすすめです。また、JAC Recruitmentは、外資系企業に特化したコンサルタントの質が非常に高い点が魅力です。まずは上記3社全てに登録してみて、転職活動を進めながらメインの転職エージェントを絞り込んでいく、という形が良いでしょう。ぜひ有効に活用してみてください。

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