北欧系の外資系企業

北欧系の外資系企業で働く

ここでは、北欧系企業(デンマーク・スウェーデン・フィンランド・ノルウェー)の特徴や魅力、デメリットなどについて詳しくご紹介していきます。北欧系企業に興味をお持ちの方は、ぜひ参考にしてください。

北欧のマーケット状況

北欧

北欧諸国は世界的に見ても経済的水準が高く豊かな国であることが知られています。2011年の北欧諸国の名目GDPと一人当たり名目GDPは下記のようになっています。

 

デンマーク

スウェーデン

フィンランド

ノルウェー

名目GDP

34位

22位

42位

23位

一人当たり名目GDP

7位

8位

15位

3位

北欧諸国はいずれも人口が少なく、デンマーク、フィンランド、ノルウェーは500万人程度、スウェーデンでも900万人程度となっています。そのため、名目GDPで見てみるとあまり上位にランクインしていませんが、一人当たり名目GDPで見てみると、いずれも上位にランクインしており、北欧諸国の経済的豊かさが伺えます。

北欧諸国の経済競争力は常に世界の注目を集めています。人口が少ない北欧諸国の企業はグローバルへと市場を開放し、知識集約型の高付加価値産業へとシフトすることで国際競争力を高めてきました。

北欧諸国では企業に対する解雇規制や補助金がない代わりに個人に対しては手厚い失業保険や職業訓練システムが用意されているなど、企業の競争力と個人の社会福祉という両面を後押しする政策がとられています。

このような企業と人材の新陳代謝を起こしやすいモデルが高付加価値産業への労働人口シフトをスムーズに実現させ、新たな成長企業を数々と生み出し、現在の経済成長の成功要因となったと言われています。

北欧系企業の特徴

北欧系企業の主な特徴としては、下記が挙げられます。

  • ニッチカテゴリでグローバルに展開する
  • 上下関係がフラットで自由な社風
  • ワークライフバランスを重視する

北欧系企業の特徴として挙げられるのは、専門性を発揮できるニッチなカテゴリでグローバルに展開しシェアを獲得するという経営スタイルです。

北欧諸国はどの国も人口が少なく内需による経済発展は望めないため、グローバル市場を前提として、輸出やサービス展開を行う企業が多い傾向があります。

そのため、競争が激しいグローバル市場で勝つために、特定領域のカテゴリーキラーとして高い技術力や製品開発力を武器にグローバルブランドへと成長した企業が数多く存在しています。

また、北欧諸国の企業の社風の特徴としては、上下関係がフラットでコミュニケーションもフランク、社員の主体性を重視するという特徴があります。

そして、多くの企業ではワークライフバランスを重視しており、休暇をしっかり取得して残業はしない企業も多いので、労働時間は日系企業鵜と比べるとかなり短い傾向にあります。

北欧系の代表的な企業

日本において知名度が高い北欧系企業としては下記が挙げられます。

スウェーデン

  • エリクソン
  • イケア
  • H&M(ヘネス・アンド・マウリッツ AB)

デンマーク

  • イルムスボリフス
  • A.P. モラー・マースク
  • サイトコア
  • ヒュンメル
  • レゴ

フィンランド

  • ノキア
  • ストラ・エンソ

ノルウェー

  • ヤラ・インターナショナルASA
  • フロントライン
  • ファストサーチ&トランスファ

国別に見る北欧系企業

スウェーデンの代表的な企業

スウェーデンの代表的な企業としては、エリクソン、イケア、H&Mなどが挙げられます。

エリクソンはスウェーデンのストックホルムに本社を置く通信機器メーカーで、携帯電話の地上固定設備としては世界最大のメーカーとなります。日本ではエリクソン・ジャパンが外資系No,1の通信インフラプロバイダとして1,000名以上の従業員を抱えています。

イケアは、言わずと知れた世界最大の家具販売店です。日本では2002年にイケア・ジャパンを設立し、全国各地に店舗をオープンさせています。

H&M(ヘネス・アンド・マウリッツAB)は、2009年時点で世界35ヶ国、約2,000の店舗と73,000名以上の従業員を抱えるグローバルアパレルメーカーです。日本には2008年に進出し、主要都市を中心に順調に店舗数を増やしています。

デンマークの代表的な企業

デンマークの有名な企業としては、イルムス、マースク、サイトコア、ヒュンメル、レゴなどが挙げられます。

イルムスボリフスはデンマークに本拠を置くインテリアショップで、日本では伊藤忠商事が85%を出資してイルムスジャパン株式会社として展開しています。家具・インテリア好きの方であればご存知の方も多いのではないでしょうか。

A.P. モラー・マースクは首都コペンハーゲンを本拠地とするグローバル海運コングロマリットで、海運業としては世界1位の売上高を誇ります。世界120ヶ国以上に展開しており、日本では1947年に日本支社が設立され、1981年からは現地法人としてマースク株式会社が設立されています。日本でも港湾に積まれたコンテナを見れば「MAERSK」という文字を良く目にすることができます。

サイトコアは、「Sitecore」というCMSを提供するWebソリューションカンパニーで、マイクロソフトの認定ゴールドパートナーでもあり、ウェブ業界ではとても良く知られている企業です。日本法人は2010年1月に設立されています。

ヒュンメルは、世界的なスポーツブランドの一つで、ハンドボール、サッカー、野球など様々なプロチームのスポンサーとなっています。

レゴは、「LEGO」ブランドで有名な、言わずと知れたプラスティック玩具、レゴブロックもデンマークのメーカーです。日本ではレゴジャパン株式会社を展開しています。

フィンランドの代表的な企業

フィンランドの有名な企業としては、ノキアやストラ・エンソなどが挙げられます。

ノキアはフィンランドを代表する電気通信機器メーカーで、携帯電話端末においては市場占有率、販売台数の双方で2011年まで世界トップシェアを誇っていました。2012年はサムスンに首位の座を奪われましたが、依然として世界を代表する携帯電話メーカーです。日本では1989年4月にノキア・ジャパン株式会社を設立しています。

ストラ・エンソはフィンランドのヘルシンキに本社を置く製紙業者で、1998年にスウェーデンのストラ社とフィンランドのエンソ社の合併により生まれました。製紙業界としてはヨーロッパで第1位、世界でも第3位の売上規模を誇っています。

ノルウェーの代表的な企業

ノルウェーの代表的な企業としては、ヤラ・インターナショナルASA、フロントライン、ファストサーチ&トランスファなどが挙げられます。

ヤラ・インターナショナルASAはノルウェーのオスロに本拠地を置く世界最大の窒素肥料メーカーで、尿素や硝酸塩、アンモニアといった窒素肥料の製造・販売を行っています。

フロントラインは原油の輸送を主要事業とする、タンカーとの世界最大手企業です。タンカーの保有数で世界第1位を誇り、オスロ証券取引所のOBX指数の構成銘柄の一つです。

ファストサーチ&トランスファはオスロに本社を置く検索エンジン会社で、日本では2001年からファストサーチ&トランスファ株式会社を展開しています。同社が提供しているエンタープライズサーチ(企業内検索)製品「FAST ESP」は、日本市場でもトップシェアを誇っています。

北欧系企業で働くメリット

北欧系企業で働くことで得られる代表的なメリットとしては、下記が挙げられます。

  • 有給休暇をしっかり取得することができる
  • 社内の風通しが良い
  • 希望するキャリアパスを実現しやすい

北欧系企業ではワークライフバランスを重視する働き方が一般的ですので、過度な残業などもなく、有給休暇の消化率は100%という状況は決して珍しくありません。短い時間の中で高い生産性を求められるのが、北欧系企業の特徴とも言えます。

また、上下関係がフラットで社内の風通しも良く、上司と部下がお互いにファーストネームで呼び合うことも珍しくありません。コミュニケーションや上下関係に余計なストレスを感じることもなく、経営陣や上司を身近に感じることができます。

そして、北欧系企業では社員一人一人の自主性がとても重んじられており、それは仕事の進め方だけではなくキャリアパスにも影響します。人事異動は社内公募で決めるのが一般的で、きちんとした成果を残していれば、自ら手を挙げることで希望の部署やポジションに異動することも可能です。

自らの積極的な働きかけ次第では様々な可能性を拓くことができるのは北欧系企業の大きな魅力と言えます。

北欧系企業で働くデメリット

北欧系企業で働くことで得られる代表的なデメリットとしては、下記が挙げられます。

  • 指示待ちに慣れてしまっていると、働きづらさを感じることも
  • フラットなコミュニケーションスタイルに違和感を覚えることも

北欧系企業ではとにかく社員ひとりひとりの創造性や自主性が求められますので、予め用意された仕事を指示通りに淡々とこなしていくようなワークスタイルが好きな方にとっては、あまり向かないかもしれません。

また、上司ですらファーストネームで呼び合うほど、北欧系企業のコミュニケーション環境はフラットで、社長が社員と同じ部屋で机を並べて仕事することなどは日常茶飯事です。

こうした北欧スタイルの社風は、自由闊達で風通しが良い反面、人によっては違和感を覚えることもあるようです。

北欧系企業で働くためには?

北欧系企業の求人は、アメリカ系企業の求人と比較するとそこまで数は多くありません。
また、日本法人で数多くの従業員を抱えている会社は数社に限定されており、日本市場で急成長している会社もないので、要職については欠員補充などの採用ニーズがメインとなります。

そのため、気になる企業があればこまめに情報収集し、常に最新の募集ポジションを把握しておくことをおすすめします。

北欧系企業で求められる語学力

北欧系企業で働く場合、ビジネスレベルの英語力は必須だと言えます。北欧諸国ではスウェーデン語、フィンランド語、デンマーク語、ノルウェー語などそれぞれの母国語が存在していますが、基本的には英語が社内公用語となります。

日本法人で、日系企業や日本人を顧客とした仕事を行う場合には英語を使用する機会がほとんどないこともありますが、本社とのやり取りが発生するポジションであれば、英語は必須となります。

北欧系企業の年収レンジ

北欧系企業の年収レンジは、業界によっても大きく異なりますが、総じて日系企業と同等レベルか、職種や企業によっては日系企業よりも高めとなっています。

有給休暇の取得率や、残業の少なさなどを考えれば、待遇面では恵まれた会社が多いと言えるでしょう。

北欧系企業はこんな方におすすめ

下記に当てはまる方は、北欧系企業への転職がおすすめです。

  • ライフワークバランスを重視したい方
  • 自主性が重視される環境で働きたい方
  • フラットなコミュニケーション環境の中で働きたい方
  • 自分の意志でキャリアパスを描いていきたい方

北欧系企業では日系企業とは違い自主性や積極性が強く求められますが、北欧流のワークスタイルやコミュニケーションスタイルが肌に合うという方にとっては、とても魅力的な職場となることでしょう。

北欧系企業に強い転職エージェント

北欧系企業に強い転職エージェントとしては、下記が挙げられます。

北欧系企業の日本法人における求人は、ほとんどが非公開求人となっています。また、北欧系企業はブランド力もあり、ワークスタイルも魅力的なので人気の求人が多く、競争率が高い傾向にあります。そのため、北欧系企業に入社するためには、転職エージェントを活用してしっかりとした対策を練るのが一番です。

リクルートエージェントは非公開求人数が網羅されているので、ぜひとも登録しておきたいところです。アデコは、スイスに本社を置く外資系転職エージェントですので、フランスを含むヨーロッパ系企業の求人には特に強みを持っています。また、JAC Recruitmentは、外資系企業に特化したコンサルタントの質が非常に高く、おすすめです。まずは上記の3社に登録してみて、転職活動を進めながら徐々にメインの転職エージェントを絞り込んでいくのが良いでしょう。ぜひ相談してみてください。

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