アメリカ系の外資系企業

アメリカ系の外資系企業で働く

ここでは、アメリカ系企業の特徴や魅力、デメリットなどについて詳しくご紹介していきます。アメリカ系企業に興味をお持ちの方は、ぜひ参考にしてください。

アメリカのマーケット状況

アメリカ

アメリカは、2011年現在の名目GDPで世界第1位を誇る、言わずと知れた世界No,1の経済大国です。

アメリカの経済は世界最大の国民経済で、アメリカ経済の変動は国際経済にも多大な影響を及ぼしています。2009年に起きたリーマンショックが世界同時不況を引き起こしたことは記憶に新しいと思いますが、アメリカの金融市場は世界の金融の中心であり、世界の金融はドルを基軸として動いていると言っても過言ではありません。

また、アメリカは世界最大の市場でもあり、主要な輸出先として各国の経済に貢献しているほか、アメリカで生まれたサービスや産業が新たなグローバル市場を生み出すことも珍しくありません。

2012年のフォーチュン・グローバル500ではアメリカ系企業が132社ランクインされており、他国の群を抜いてトップとなっています。

アメリカの主要産業はほとんどがサービス業に分類されますが、先進的な技術力に基づく製造業や、規模の経済を活かした大規模農業にも強みを持っています。アメリカは世界最大の輸入大国でもあり、貿易収支は常に赤字となっています。

アメリカ系企業の特徴

アメリカ系企業の主な特徴としては、下記が挙げられます。

  • 成果主義的な側面が強い
  • 社員の流動性が高い
  • 専門職・スペシャリストとしてのキャリア
  • 年齢や国籍は役職と関係ない
  • コミュニケーションはフラットだが、個人主義的側面が強い

アメリカ系企業の特徴は、一般的に外資系企業に対して持たれがちなイメージにかなり近いと言えます。

人事評価は成果に基づいて行われるのが一般的で、年功序列型のようなシステムはありま
せん。結果を出せば評価され昇進し、そうでなければ会社には残れない。これがアメリカ系企業の基本的な仕組みです。

そのため、日系企業より流動性は遥かに高く、米系コンサルティングファームなどでは「Up or Out(昇進するか、去るか)」といった言葉もあるほどです。退職せざるを得ない社員もいれば、他社により高い年俸で引き抜かれる社員もおり、転職回数も多いのが一般的です。

そして、こうした企業間の人材流動を可能にしているのが、専門職、スペシャリスト採用というアメリカ系企業の基本的な人事システムです。アメリカの場合は日本とは異なり新卒一括採用、総合職採用といった仕組みはありません。

職種別採用が基本で、就職・転職後に職種自体が変わるということはほとんどありません。だからこそ、他社でも通用可能な汎用的な専門スキルが身につけやすく、労働市場における流動性を高めやすいという側面もあるのです。

他にも、アメリカ系企業の場合は成果がもっとも重要なので、国籍や年齢は役職に関係なく、フラットで自由な社風の企業が多いのが特徴です。

アメリカ系の代表的な企業

日本において知名度が高いアメリカ系企業としては下記が挙げられます。

IT・コンピュータ業界

Adobe/DELL/eBay/Facebook/Google/IBM/Yahoo/アップル/アマゾン/インテル/オラクル/サン・マイクロシステムズ/シスコシステムズ/シマンテック/セールスフォース・ドットコム/ヒューレット・パッカード/ベリサイン/マイクロソフト/マカフィ

外食・飲食業界

ウェンディ―ズ/ケンタッキーフライドチキン/サブウェイ/スターバックス/タリーズコーヒー/ドミノ・ピザ/バーガーキング/ピザハット/マクドナルド/コカコーラ/ケロッグ/ペプシコ

流通・小売業界

Fedex/FOREVER21/GAP/ウォルマート・ストアーズ/オフィス・デポ/コストコ/トイザラス/ホームデポ/リーバイス

金融業界

AIG/JPモルガン・チェース/Visa/アメリカン・エキスプレス/アメリカンファミリー生命保険会社/ウェルズ・ファーゴ/ゴールドマン・サックス/シティバンク/バンク・オブ・アメリカ/ファニー・メイ/フィディリティ/プルデンシャル・ファイナンシャル/マーシュ・アンド・マクナレン/マスターカード/メリルリンチ/モルガンスタンレー

資源・化学業界

エクソンモービル/3M/P&G/エイボン・プロダクツ/エスティローダー/ダウ・ケミカル

医薬・製薬業界

イーライリリー・アンド・カンパニー/ジョンソン・エンド・ジョンソン/ファイザー

自動車業界

クライスラー/ゼネラル・モータース/ハーレーダビッドソン/フォード

メディア業界

ABC/CNN/MTV/ウォルト・ディズニー/コムキャスト/タイム・ワーナー/ピクサー/ヤング&ルビカム/ロイター通信

コンサルティング業界

A.T.カーニー/アーサー・D・リトル/ベイン・アンド・カンパニー/ホストン・コンサルティング・グループ/マーサー・ヒューマン・リソース・コンサルティング/マッキンゼー・アンド・カンパニー/モニター・グループ

業界別に見るアメリカ系企業

IT・コンピュータ業界

常に世界のIT・コンピュータ産業をリードしてきたのはアメリカ系企業です。IBM、オラクル、ヒューレット・パッカード、マイクロソフト、アップル、Google、Amazonなどは誰もが知るグローバル企業です。

その中でもGoogleやAmazonなどはインターネットが普及し始めた1990年代に設立された企業であり、その成長速度は歴史的なスピードだと言えます。

アメリカにはカルフォルニア州サンフランシスコにシリコンバレーと呼ばれる先端技術・IT企業の集積地があり、アップルやGoogle、Amazonをはじめ、上記で挙げた企業の多くの本社がシリコンバレーに集積しています。

また、大企業だけではなくスタートアップ企業も数多く存在しており、常に新しい企業が生まれ、イノベーションが促進されている点も特徴的です。

シリコンバレーは世界を変える技術イノベーション拠点として、数多くの優秀な技術者・エンジニアにとっての憧れの地となっています。

外食・飲食業界

アメリカの外食・飲食業界の多くは古くから日本市場にも進出しているため、日本でも知名度が高い企業が数多く存在しています。

日本においては、1970年代はじめにマクドナルドやケンタッキーフライドチキンなどファストフード企業が進出し、その後、80年代にかけてドミノ・ピザやピザハットなどのデリバリーフード企業も広まっていきます。

そして、1996年にはスターバックスが日本に進出、銀座に1号店を出店し、以降急速に店舗数を拡大、日本のカフェ市場の発展に大きく寄与しています。

これらの企業はいずれも消費者向けのサービスとなりますので、ブランド戦略やマーケティング戦略が非常に重要となります。そのため、これらの企業のマーケティングポジションなどは外資系企業の転職市場の中でも非常に人気があり、競争も激しくなっています。

流通・小売業界

アメリカにおける流通・小売業界の代表的企業としては、ウォルマートが挙げられます。ウォルマートは世界最大のスーパーマーケットチェーンで、売上高でも世界最大の企業となっています。従業員数はグローバル全体で2200万人(2011年1月末時点)と圧倒的な数の雇用を抱えており、世界全体のサプライチェーンに多大な影響を及ぼしています。

現在は世界15か国に進出しており、日本でも西友を子会社化して展開しています。

また、ウォルマートの他にも、GAP、FOREVER21など日本で知名度の高い企業は数多く存在しており、これらの企業がアメリカ流の生活スタイルを広くグローバルに広げていると言っても過言ではありません。

金融業界

世界の金融の中心であるアメリカには数多くのグローバル金融機関が存在しており、リーマンショックでも明らかになったように、今や一つの金融機関の業績次第で世界経済が傾くといった状況にまでなっています。

中でも、ゴールドマン・サックス、モルガンスタンレー、メリルリンチ、JPモルガン・チェースなどの米系投資銀行はあらゆる業界の中でももっとも給与水準が高く、MBAホルダーなどグローバルビジネスエリートにとって常に人気が高い職場となっています。

資源・化学業界

アメリカの資源・化学業界としては、3M、P&G、ダウ・ケミカルなどが有名です。

3Mは世界有数のコングロマリットとして特にその優れた独創的な経営スタイルに特徴があり、たびたび経営専門誌やビジネススクールなどでも取り上げられています。

また、P&Gは特にマーケティングが有名で、P&Gのマーケティングポジションは外資系企業のマーケティング職を転職先として目指している方々の中では最高峰のポジションとなっています。

製薬業界

アメリカ系の製薬会社で、日本でも特に知名度が高いのはファイザーとジョンソン・エンド・ジョンソンでしょう。

ファイザーは言わずと知れた製薬業界世界第1位の売上を誇る企業で、ダウ平均株価の構成銘柄の一つでもあります。また、ジョンソン・エンド・ジョンソンはファイザーに次いで世界第2位の売上を誇り、日本法人でも2,000人近い従業員を抱えています。

自動車業界

アメリカにおける自動車業界と言えば、ゼネラルモーターズ(GM)、フォード、クライスラーの大手3社です。この3社は通称ビッグスリーと呼ばれており、事実上アメリカの自動車産業自体を独占しているだけでなく、世界の自動車産業においても多大な影響力を持っています。

リーマンショックによりGMとクライスラーが連邦倒産法を適用したことは記憶に新しいですが、3社の業績悪化がもたらすアメリカ、ならびに世界全体への経済的影響・雇用への影響を考え、アメリカは国家的にこれらの企業を支援しています。

メディア業界

アメリカのメディア業界としては、ABC(American Broadcasting Company)、CNN(Cable News Network)が有名です。また、日本ではウォルト・ディズニー、タイム・ワーナーなどが有名です。その他、日本では電通と合弁企業を展開している大手広告代理店のヤング&ルビカムなどもあります。

コンサルティング業界

グローバルに展開している有名なコンサルティングファームのほとんどはアメリカ系企業です。代表的な企業としてはマッキンゼー・アンド・カンパニー、ボストンコンサルティンググループ、A.T.カーニー、ベイン・アンド・カンパニーなどが挙げられます。

これらの企業は日本にもオフィスを展開しており、MBAホルダーや大手企業出身のビジネスマンからも非常に人気が高い転職先となっています。

アメリカ系企業で働くメリット

アメリカ系企業で働くことで得られる代表的なメリットとしては、下記が挙げられます。

  • ベースとしての給料が高め
  • 実力主義で、成果次第で昇給・昇進がしやすい
  • グローバルなビジネス感覚を身に付けやすい
  • 男女関係なく昇進でき、女性管理職も多い

アメリカ系企業の多くは、日系企業と比較すると給与が高めのケースが多いようです。日系の大手企業からアメリカ系企業に転職したことで年収がアップしたという方は数多くいらっしゃいます。

また、アメリカ系企業は基本的に年齢・性別関係なく実力主義・成果主義が徹底されているので、成果さえ出すことができれば昇給・昇進も可能です。(企業によっては日本法人社員の場合、昇進に限界がある場合もあります。)

そして、アメリカ企業の多くはグローバルに大規模なビジネス展開をしている多国籍企業なので、グローバルサプライチェーンの中でよりダイナミックなビジネス経験を積むことが可能です。

グローバルで人事交流や社内留学制度が整っている企業に転職すれば、世界中で勤務するチャンスが得られることも珍しくありません。

アメリカ企業で働くデメリット

アメリカ系企業で働くことで得られる代表的なデメリットとしては、下記が挙げられます。

  • 短期間での退職も多い
  • 成果次第では、居づらいことも
  • 社風がドライだと感じることも

アメリカ系企業の場合、日系企業よりも人材の流動性はかなり高くなっています。トップクラスの業績を残した社員は競合他社に引き抜かれることも日常茶飯事ですし、成果を残せない社員は必然的に退職に追い込まれることもあります。

日系企業と違い、雇用慣習自体が大きく異なりますので、一つの会社で長く勤め続けるというよりは、自分自身がキャリアアップをしていく中でもっともふさわしい企業に次々と転職していく、というのが基本的なスタイルとなります。

そのため、成果を出すことに自信がない方にとってはあまり居心地が良い環境とは言えないかもしれません。

そして、アメリカ系企業の個人主義的な社風が合わない方もいるようです。アメリカ系企業においては、仕事上のチームワークは非常に重要視されますが、日系企業のようにプライベートも含めてウェットに付き合うといった社風ではありません。

自由でフラットな反面、ドライな部分もあるのがアメリカ系企業の特徴です。

アメリカ系企業で働くためには?

アメリカ系企業の日本法人の求人は数多くありますので、業種・職種の経験がフィットすれば、転職の可能性は常に開かれています。

但し、アメリカ系企業の日本法人は総じて給与水準も高く、ブランド力もあるので、採用市場に解いては常に倍率が高く、外資系企業経験者や日系グローバル企業の経験者などのハイレベルな人材が限られた採用枠を争うケースも多いので、転職のタイミングや個別の面接対策が重要となります。

アメリカ系企業で求められる語学力

基本的にビジネスレベルの英語力は必須だと言えます。日本法人で顧客も日系企業の場合、業務では英語をほとんど使用しないケースもありますが、アメリカ系企業のほとんどの求人では英語力が必須条件となっています。

アメリカ系企業の年収レンジ

アメリカ系企業の年収レンジは、日系企業と比べると高い傾向にあります。業種や企業によっても異なりますが、金融であれば20代前半で既に1,000万を超えている社員もいますし、その他の業種でも20代後半~30代前半で700万~1,500万程度の求人は数多く存在しています。

特に、投資銀行やコンサルティングファーム、一部のIT企業などでは非常に給与が高く、常に世界中のビジネスエリートがその席を争っています。

外資系企業ならではの高給は大きな魅力ですが、その反面で、福利厚生面では日系企業に劣ることもありますし、成果次第ではいつ降給するか、解雇されるか分からないという緊張感もありますので、アメリカ系企業への転職をお考えの方は、年収の額面だけではなくトータルで考えるのがよいでしょう。

アメリカ系企業はこんな方におすすめ

下記に当てはまる方は、アメリカ系企業への転職がおすすめです。

  • 成果を出すことに自信がある方
  • 年収アップを目指す方
  • 英語力を最大限に活かしてビジネスをしたい方
  • 自由闊達でフラットな社風の中で働きたい方

アメリカ系企業は、成果を出すことに自信があり、実力で高給を稼ぎたい方にとっては最適な環境と言えるかもしれません。日系の大手企業と比較すれば雇用面でのリスクは高いと言えますが、それを十分に補えるほど、エキサイティングな環境で働くことができます。

特に、各業界のトップ企業に就職・転職することができれば、世界中の優秀な人材と一緒に働くことができますので、キャリアアップやスキルアップの面でも非常に良い経験となります。

アメリカ系企業に強い転職エージェント

アメリカ系企業に強い転職エージェントとしては、下記が挙げられます。

アメリカ系企業の日本法人における求人は、ほとんどが非公開求人となっています。職種としては、消費財メーカーのマーケティング関連求人や営業関連求人、金融スペシャリスト求人、会計コンサルタント求人などが豊富に存在しています。

ただ、いずれも人気があり競争倍率が高い求人が多いため、入社を勝ち取るためには事前の徹底した対策が必要となります。英文レジュメや英語インタビュー対策など、転職エージェントのコンサルタントを活用してしっかりと準備をすることが重要です。

リクルートエージェントは非公開求人数が網羅されているので、ぜひとも登録しておきたいところです。アデコもスイスに本社を置く世界最大の総合人材会社として多数の外資系求人を保有しており、おすすめです。また、JAC Recruitmentは、外資系企業に特化したコンサルタントの質が非常に高い点が魅力です。まずは上記3社全てに登録してみて、転職活動を進めながらメインの転職エージェントを絞り込んでいく、という形が良いでしょう。ぜひ有効に活用してみてください。

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