ドイツ系の外資系企業

ドイツ系の外資系企業で働く

ここでは、ドイツ系企業の特徴や魅力、デメリットなどについて詳しくご紹介していきます。ドイツ系企業に興味をお持ちの方は、ぜひ参考にしてください。

ドイツのマーケット状況

ドイツ

ドイツは、2011年現在の名目GDPでアメリカ、中国、日本に次いで世界第4位、EUでは第1位の経済先進国で、ヨーロッパ経済全体を牽引しています。

ドイツは2009年、リーマンショックによる世界同時不況の影響を強く受けてマイナス5.1%という戦後最悪の景気後退を経験しましたが、以降急速な回復を見せ、2010年にはGDPを3.7%増やし、EUの中でも最高水準の経済状況となっています。

ドイツは輸出が国内生産の3分の1を占めており、ヨーロッパ諸国やアメリカ、日本などへの工業製品などの輸出が経済を経済を牽引しています。

2012年のフォーチュン・グローバル500ではドイツ系企業が32社ランクインされており、フランスと並び第4位の多さとなっています。

金融や情報通信、自動車、電機機器、スポーツ用品など様々な業種でドイツ系グローバル企業が活躍しており、ドイツは世界経済全体にとっても多大な影響力を持っています。

ドイツ系企業の特徴

ドイツ系企業の主な特徴としては、下記が挙げられます。

  • ワークライフバランスを重視している
  • 自主性を重んじ、裁量権も大きい
  • 意思決定が早い、フラットな組織
  • 人を育てる風土がある

ドイツ系企業はフランス系企業などと同様にヨーロッパ外資系らしい、ワークライフバランスを重視した制度が充実しています。また、社風としては一人一人の自主性が尊重されており、裁量権が大きく、年齢や役職も関係なくフラットに議論ができ、意思決定が早いなどの特徴もよく挙げられます。そして、ドイツは「マイスター制度」で知られるように人をじっくりと育てる文化が根付いており、営業系社員であっても本国で技術研修をしっかり受ける機会があるなど、いかにもドイツ系らしい文化を持つ企業もあります。

ドイツ人は良く日本人と気質が似ていると言われることがありますが、譲歩や折り合いの付け方など、ドイツ人は日本的なメンタリティが通じる部分も多く、同僚としては働きやすいと感じている方も多いようです。

ドイツ系の代表的な企業

日本において知名度が高いドイツ系企業としては下記が挙げられます。

金融・保険業界

  • ドイツ銀行

情報・通信・交通

  • DHL
  • SAP
  • シーメンス

自動車業界

  • ダイムラー
  • フォルクス・ワーゲン
  • アウディ

ファッション・スポーツ

  • アディダス
  • プーマ

コンサルティング業界

  • ローランド・ベルガ―

業界別に見るドイツ系企業

金融・保険業界

ドイツの金融・保険業界で最大の銀行がドイツ銀行です。約78,000人の従業員を抱える世界有数の金融機関で、日本ではドイツ銀行グループとしてドイツ銀行、ドイツ証券、ドイチェアセットマネジメント、DB信託の4法人体制で事業展開をしており、外資系金融機関志願者の就職先・転職先としても非常に人気が高い企業の一つです。

情報・通信・交通業界

ドイツ系の情報・通信・交通業界における大手企業としては、DHL、SAP、シーメンスなどが日本でも有名です。DHLは航空機を主体とした世界最大の国際輸送・ロジスティクス企業で、日本ではDHLジャパン株式会社、DHLグローバルフォワーディングジャパン株式会社、DHLサプライチェーン株式会社の3社を展開しています。

また、SAPはドイツ中西部ヴァルドルフに本社を置くヨーロッパ最大、世界でもマイクロソフト、オラクルに次いで世界第3位のソフトウェア企業で、大企業向けエンタープライズソフトウェア市場においては圧倒的なシェアを誇ります。日本では1992年にSAPジャパンが設立され、既に従業員は1,000名を超えており、外資ITの中でも人気企業の1つです。

シーメンスはミュンヘンに本社を置く多国籍グローバル企業で、連結売上高は約14兆円を誇り、情報通信、電力、家電、生産設備などあらゆる分野のシステムソリューションを提供する巨大コングロマリット企業です。日本ではシーメンス・ジャパンを始め複数の関連会社が事業を展開しています。

自動車業界

自動車業界はドイツの主力産業の一つであり、グローバルでシェアを獲得しているブランド企業が複数存在しています。

トラックの販売台数では世界最大手であり、「メルセデス・ベンツ」のブランドでも有名なダイムラー、世界19か国に44工場を持ち、従業員数34万人を抱えるフォルクスワーゲン・グループの中核企業フォルクス・ワーゲンやアウディなど、グローバルに展開している自動車メーカーが数多く存在しています。

ファッション・スポーツ業界

あまり知られていませんが、実は日本では非常に馴染みが深いスポーツ用品メーカーのアディダス(adidas)やプーマ(puma)も、ドイツに本社を置くドイツ系企業です。日本では、アディダスジャパン株式会社が直営日本法人として1998年に設立され、プーマも2003年に直営法人となるプーマジャパン株式会社を設立しています。いずれもスポーツ業界では非常に人気が高い企業となっています。

コンサルティング業界

マッキンゼー・アンド・カンパニー、ボストンコンサルティンググループなど、米国勢が主力を占める外資系コンサルティング業界において独自の地位を築き、就職先や転職先としても人気があるのが、ドイツ系コンサルティングファームのローランド・ベルガ―です。

ローランド・ベルガ―はミュンヘンを本拠地とするヨーロッパ最大の経営コンサルティングファームで、世界36各国に50以上のオフィスを構え、約2,500名のコンサルタントを抱えています。欧州ではマッキンゼー、BCGと並んで三大ファームの一つとされています。

日本法人も1991年に設立され、現在では約100名のコンサルタントが所属していますが、転職先としては非常に門戸が狭い、超人気企業と言えます。

ドイツ系企業で働くメリット

ドイツ系企業で働くことで得られる代表的なメリットとしては、下記が挙げられます。

  • 有給休暇・長期休暇が取得しやすい
  • 地位や役職に関わらず、様々な意見が受け入れられやすい
  • 外資系特有のドライさがなく、暖かい社風

ドイツ系企業のすごいところは、世界第4位の経済大国であるにも関わらず、日系企業では考えられないほどしっかりと有給休暇が取得でき、長期休暇もとても取得しやすい点にあります。残業も基本的に少なく、仕事の効率性という面では日系企業も多く学ぶべき点があるかもしれません。

また、フラットな社風で年齢や役職なども関係なく、自分の意見が通りやすい環境にあります。そのぶん主体性が求められますが、ドイツ系企業は研修や教育体制がしっかりしている企業も多いので、すぐに馴染むことができるのではないかと思います。

また、外資=ドライというイメージがつきまといがちですが、ドイツ系企業は日系企業と似ており終身雇用でじっくりと人材を育て上げる、暖かい社風の企業が多いと言えます。

エンジニアとしてドイツ系企業で働いている方の中には、ドイツ人の几帳面で職人肌なところが一緒に仕事をしていて非常に心地よいという意見を言う方が多くいます。

このように、ドイツ系企業ならではの魅力は数多く存在しています。

ドイツ系企業で働くデメリット

ドイツ系企業で働くことで得られる代表的なデメリットとしては、下記が挙げられます。

  • アメリカ系企業と比較すれば、外資といえども日系企業に近い
  • 本国の指示・許可が重要

ドイツ系企業の社風は、労働時間の短さや休暇取得のしやすさを除けば外資系企業の中ではもっとも日系企業に近いと言えます。そのため、成果を出せば給与が上がり、人材流動も激しいようないわゆる外資系企業のイメージとは異なる部分もあります。

また、ドイツ系企業の日本法人で働く社員の中には、何をするにも本国のお伺いを立てなければならず、本国とお客様の間に挟まれて無理な対応を強いられることもしばしばある、と嘆く方もいらっしゃいます。

ドイツ系企業で働くためには?

ドイツ系大手企業の求人は日本でも数多く存在しています。自動車、IT、産業用機器、物流など幅広い業界で、営業職、エンジニア職ともに就職の門戸は広がっています。役職もメンバークラスからマネジメントクラスまで幅広い求人があるので、過去の経験さえフィットすれば十分に就職・転職のチャンスはあります。

ドイツ系企業で求められる語学力

基本的にビジネスレベルの英語力は必須だと言えます。また、ドイツ語も話せるとより有利となります。本国とのやり取りやレポートラインにおいては英語やドイツ語でのコミュニケーションが基本となりますので、顧客が日系企業だとしても、多くのドイツ系企業でぇあ英語・ドイツ語の語学力を採用規準に置いています。

ドイツ系企業の年収レンジ

ドイツ系企業の年収レンジは、日系企業と比べると比較的高い傾向にあります。20代後半~30代前半で800万~1,200万円程度の年収レンジも珍しくなく、営業職でインセンティブがつく場合などは30代で1,500万円程度となっていることもあります。

もちろんベース年収は企業により異なりますが、ドイツ系企業の年収は総じて高めにあると言えます。

ドイツ系企業はこんな方におすすめ

下記に当てはまる方は、ドイツ系企業への転職がおすすめです。

  • 仕事とプライベートの区別をはっきりとつけたい方
  • 外資特有のドライな社風ではなく、日本企業に近い社風が好きな方
  • 長期間に渡り一つの企業でじっくりと働きたい方

ドイツ系企業の多くは有給休暇や長期休暇をしっかりと取得することができ、仕事だけではなくプライベートも充実させたい方から強い人気があります。また、社風がどちらかというと日本企業に近いので、外資系企業で働くのは初めてという方でもそこまで違和感なく馴染むことができるでしょう。

ドイツ系企業に強い転職エージェント

ドイツ系企業に強い転職エージェントとしては、下記が挙げられます。

ドイツ系企業の日本法人における求人は、ほとんどが非公開求人となっています。職種は営業職やエンジニア職、スペシャリストポジションはもちろん、マーケティング、ロジスティクス、サプライチェーン、アカウンティングなどバックオフィス関連の求人も多数存在しており、マネジメントポジションの求人も数多く存在しています。

特にドイツITベンダーでは常に積極採用を実施していますので、転職エージェントを活用してしっかりと対策を練れば、入社は決して難しくありません。ぜひ上手に活用したいところです。

リクルートエージェントは非公開求人数が網羅されているので、ぜひとも登録しておきたいところです。アデコは、スイスに本社を置く外資系転職エージェントですので、ドイツを含むヨーロッパ系企業の求人には特に強みを持っています。また、JAC Recruitmentは、外資系企業に特化したコンサルタントの質が非常に高く、おすすめです。まずは上記の3社に登録してみて、転職活動を進めながら徐々にメインの転職エージェントを絞り込んでいくのが良いでしょう。ぜひ相談してみてください。

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