スイス系の外資系企業

スイス系の外資系企業で働く

ここでは、スイス系企業の特徴や魅力、デメリットなどについて詳しくご紹介していきます。スイス系企業に興味をお持ちの方は、ぜひ参考にしてください。

スイスのマーケット状況

スイス

スイスは、2011年現在の名目GDPで世界第20位となっていますが、同年の一人当たりGDPとしてはルクセンブルグ、カタール、ノルウェーに次いで世界第4位となっており、世界で最も国際競争力が高い国の一つです。

富裕層が非常に多いことで有名で、9.5%の世帯が100万ドル以上の金融資産を保有していると言われており、スイスフラン(CHF)は世界でもっとも安定した通貨と言われています。富裕層のプライベートバンクとしてスイス銀行なども世界的に有名です。

スイスの主要な産業としては銀行、保険などの金融業、観光、精密機械などが挙げられます。ほとんどがサービス業に従事しており、製造業としては最先端のマイクロテクノロジーを強みとしてニッチな製品カテゴリでシェアを持っている企業などが数多く存在しています。

スイス系企業の特徴

スイス系企業の主な特徴としては、下記が挙げられます。

  • 金融・保険業はグローバル全体においても重要な役割を果たしている
  • スイス企業の99%以上はフルタイム社員250名以下の中小企業

スイス系企業の中でも特に重要な役割を果たしているのが金融業界、特に銀行と保険はグローバル規模で多大な影響力を持っています。スイスの銀行の資産管理高は非常に多く、資産管理の世界ランキングではTOP10社のうちスイスの銀行が3社を占めています。外国の個人顧客の資産管理高では世界第1位となっており、世界全体の27%を占めています。

また、スイス企業のほとんどは中小企業であるという点も特徴的です。世界中に従業員を抱えるグローバルカンパニーも存在していますが、割合としてはそれほど多くありません。

そして、スイス系企業の魅力は何と言っても給料が高いところにあります。一人当たりのGDPが世界トップクラスであることからも分かるように、国家として経済的に非常に豊かなか国なので、収入面でも恵まれている企業が多いと言えます。

スイス系の代表的な企業

日本において知名度が高いスイス系企業としては下記が挙げられます。

  • アデコ(Adecco)
  • トリンプ・インターナショナル(Triumph International)
  • クレディ・スイス(Credit Suisse)
  • ロンバー・オディエ(Lombard Odier & Cie)
  • ジボダン(Givaudan)
  • グレンコア・インターナショナル・ピーエルシー(Glencore International plc)
  • ネスレ(Nestle)
  • ノバルティス(Novartis)
  • オメガ(Omega)
  • ロレックス(Rolex)
  • スウォッチ(Swatch)
  • シンドラーエレベータ(Schindler Elevator) 

アデコ(Adecco)

アデコ(Adecco Ltd.)は世界60ヶ国以上に5,400以上の拠点を展開している世界最大の総合人材サービス企業で、「フォーチュン・グローバル500社」にもランクインしています。日本ではアデコ株式会社を展開しており、登録就業者数35,000名を抱える人材派遣業界大手の一社となっています。

トリンプ・インターナショナル(Triumph International)

トリンプ・インターナショナル(Triumph International)はスイスに本社を置く女性用下着の製造販売会社で、1886年にはドイツで設立されました。女性用下着メーカーとしては世界最大規模を誇り、日本でも下着業界では第2位のシェアを持っています。「天使のブラ」「恋するブラ」などが有名です。

クレディ・スイス(Credit Suisse)

クレディ・スイス銀行はスイスのチューリッヒに本社を置くユニバーサル・バンクで、プライベート・バンキング、インベストメント・バンキング、アセット・マネジメントの3部門が存在しています。

証券・投資銀行業務、富裕層向け資産管理業務、資産運用業務などがメインで、一般個人向け銀行業務はスイス国内のみに限定されています。

クレディ・スイスの日本法人は外資系投資銀行への転職を目指す方々の中でも特に人気があり、給与も高いため、非常に狭き門となっています。

ロンバー・オディエ(Lombard Odier & Cie)

ロンバー・オディエ(Lombard Odier & Cie)は1796年に設立されたスイスのプライベートバンクで、スイスでは第2位の規模を誇ります。現在では世界17ヶ国、24ヶ所にオフィスを展開しており、日本法人は1999年に設立されています。

ジボダン(Givaudan)

ジボダン(Givaudan)はスイスのヴェルニアに本社を置く世界最大の香料メーカーです。日本ではジボダン ジャパン株式会社が1970年に設立されています。日本ではあまり知名度は高くありませんが、グローバル市場においては香水・フレグランスなどの領域で就職先・転職先としても非常に人気があるメーカーです。

グレンコア・インターナショナル・ピーエルシー(Glencore International plc)

グレンコア・インターナショナル・ピーエルシー(Glencore International plc)は、世界最大の商品取引商社で、亜鉛の世界シェアは60%、銅の世界シェアは50%となっています。

売上高では食品最大手のネスレを凌ぎスイス最大の企業であり、スイスの代表的な金融機関であるクレディ・スイスとの関係も非常に深い企業です。

ネスレ(Nestle)

ネスレ(Nestle)はスイスのヴェヴェイに本社を置く世界最大の食品・飲料会社です。日用品の消費財メーカーとしてはプロクター・アンド・ギャンブルに次ぎ世界第二位の規模を誇り、日本ではネスレ日本株式会社を展開しています。

インスタントコーヒーの「ネスカフェ」やミネラルウォーターの「サンペレグリノ」、菓子の「キットカット」などのブランドが有名です。日本でも知名度が高く、人気企業の一つです。

ノバルティス(Novartis)

ノバルティス(Novartis)はスイスのバーゼルに本拠地を置くグローバル製薬企業で、医薬品業界の中では売上高の世界ランキングで第二位の規模を誇っています。

また、フォーチュン誌の「世界で最も称賛される企業2012」において医薬品企業で第一位に選出されるなど、グローバルにおける評価も大変高い企業です。

日本では、持株会社であるノバルティスホールディングジャパン株式会社を中心として、中核企業のノバルティスファーマ株式会社、チバビジョン株式会社などを展開しています。

オメガ(Omega)

オメガ(Omega)は世界的に有名な高級腕時計メーカーで、スウォッチグループの企業となっています。オメガの時計は日本でも人気が高く、知名度もあるのでご存知の方も多いかもしれません。

ロレックス(Rolex)

ロレックス(Rolex)は1905年にロンドンで創業された時計メーカーで、現在ではスイスのジュネーブに本社を置いています。高級腕時計のブランドとしてはグローバルで圧倒的な知名度を有しており、日本でも人気のブランドとなっています。

スウォッチ(Swatch)

ザ・スウォッチ・グループ(The Swatch Group )はスイスのビールに本社を置く世界最大の時計メーカーグループで、世界30ヶ国以上に展開しています。日本ではスウォッチ・グループ・ジャパンが置かれています。

シンドラーエレベータ(Schindler Elevator)

シンドラーエレベータ(Schindler Elevator)はエレベータ・エスカレーターの製造・販売・保守・管理を行う企業で、エレベータは世界シェア2位、エスカレーターでは1位となっています。日本では相次ぐシンドラー社製エレベータの相次ぐ事故や不具合によりネガティブなイメージが強くなっていますが、スイスが誇る代表的なニッチトップ企業の一つです。

スイス系企業で働くメリット

スイス系企業で働くことで得られる代表的なメリットとしては、下記が挙げられます。

  • 英語力を活かして仕事ができる
  • 有給休暇をしっかり取得することができる
  • 自由で暖かい社風の企業が多い

スイス企業の多くは基本的に英語を社内用語として定めているので、本社とのやり取りやグローバルカンファレンスに参加する場合などは、英語を使用することになります。

ただし、日本法人に就職・転職し、日本の顧客向けに仕事をする場合はあまり英語を活用せず、日本人社員が多いため外資系らしさを感じることはないかもしれません。

また、ヨーロッパ企業だけあって有給休暇はしっかりと取得できる企業が多く、プライベートも充実させることができます。そして、どちらかというと自由で暖かい社風の企業が多く、自分のスタイルでのびのびと働けるところが多いようです。

スイス系企業で働くデメリット

スイス系企業で働くことで得られる代表的なデメリットとしては、下記が挙げられます。

  • アメリカ系企業と比較すれば、外資といえども日系企業に近い
  • 本国スイスとのか関わりが少ないことも

スイス系企業は社風や雰囲気がアメリカ系企業と日系企業の中間、といった感じなので、いわゆる外資系らしさが好きな方にとっては物足りなさを感じることもあるかもしれません。

また、日本法人に就職・転職する場合、企業によってはほとんどスイス本社やスイスから来た社員との関わりはなく、あくまで日本人の同僚と日本人顧客向けに日本語で仕事をするだけ、ということもあるようです。

スイス系企業で働くためには?

スイス系企業の求人は、アメリカ系企業の求人と比較するとそこまで数は多くありません。
また、日本法人で数多くの従業員を抱えている会社は数社に限定されており、日本市場で急成長している会社もないので、要職については欠員補充などの採用ニーズがメインとなります。

そのため、気になる企業があればこまめに情報収集し、常に最新の募集ポジションを把握しておくことをおすすめします。

スイス系企業で求められる語学力

基本的にビジネスレベルの英語力は必須だと言えます。そのほか、スイス系企業はヨーロッパ市場において輸出や取引をメインに行っている企業も多いので、フランス語やドイツ語などが話せるとより有利になることもあります。

スイス系企業の年収レンジ

スイス系企業の年収レンジは、業界によっても大きく異なります。金融・保険や製薬業界の企業は総じて日系企業よりかなり給与は高めですが、メーカーでは日系大手企業と同程度か、場合によっては給与面で劣ることもあります。

その代わりに有給がしっかり取得できる、残業がなくすぐに帰れるなど、ワークライフバランスを重視した働き方ができる企業も多いのも特徴です。

スイス系企業はこんな方におすすめ

下記に当てはまる方は、スイス系企業への転職がおすすめです。

  • ライフワークバランスを重視したい方
  • 外資特有のドライな社風ではなく、日本企業に近い社風が好きな方
  • 長期間に渡り一つの企業でじっくりと働きたい方

スイス系企業の多くは有給休暇や長期休暇をしっかりと取得することができ、仕事だけではなくプライベートも充実させたい方から強い人気があります。また、社風がどちらかというと日本企業に近いので、外資系企業で働くのは初めてという方でもそこまで違和感なく馴染むことができるでしょう。

スイス系企業に強い転職エージェント

スイス系企業に強い転職エージェントとしては、下記が挙げられます。

スイス系企業の日本法人における求人は、ほとんどが非公開求人となっています。職種は、メーカーであればマーケティングや、商品開発、製造、品質保証などの求人があり、金融・保険では専門職スペシャリストの求人が数多くあります。

リクルートエージェントは非公開求人数が網羅されているので、ぜひとも登録しておきたいところです。上記でもご紹介したアデコは、スイスに本社を置く外資系転職エージェントですので、スイス系企業の求人には特に強みを持っています。また、JAC Recruitmentは、外資系企業に特化したコンサルタントの質が非常に高く、おすすめです。まずは上記の3社に登録してみて、転職活動を進めながら徐々にメインの転職エージェントを絞り込んでいくのが良いでしょう。ぜひ相談してみてください。

「国から探す」のその他のページを見る