年俸制
多くの外資系企業では、給与体系に年俸制を導入しています。最近では日系企業でも年俸制を導入する企業が増えてきていますが、年俸制とはどのような仕組みなのでしょうか?
年俸制とは?
年俸制とは、1年間で支給する金額を予め決定した上で、それを等分して毎月支給していくスタイルのことを指します。
等分方法は企業により異なり、単純に年俸を12等分して毎月支払う企業もあれば、14等分(16等分)して、夏・冬には賞与代わりに2か月分(4か月分)支払う企業なども存在しています。
また、年俸制というと、予め金額が決まっているので、残業手当は支給されないと考えている方もいますが、実際にはそのようなことは認められていません。
年俸制でも通常の月給制と同様に、企業は残業手当を支払う義務があります。そのため、多くの外資系企業は、年俸額の中に予め見込み残業手当として50時間~70時間分程度を含めて提示しています。
こうすることにより、見込み残業時間を超えない限りは残業代が出ないという形式をとっている企業が多いのです。
年俸制のメリット
年俸制の代表的なメリットとしては、下記が挙げられます。
- 成果や実績が反映されやすい
- 1年間の支給額が決まるため、資金計画が立てやすい
年俸制は成果主義と密接な関係があり、年俸制を導入している企業では、年功序列制度とは異なり、期待された成果さえ出せば等級は上がり、それにより年俸が上がる仕組みとなっていますので、頑張れば頑張った分だけ年俸として跳ね返ってくる分かりやすさが魅力だとは言えるでしょう。
また、1年間の総支給額が年度の初めに提示される形となるため、資金計画が立てやすいという声を聞くこともあります。
年俸制のデメリット
逆に、年俸制のデメリットとしてよく聞くことが多い項目としては下記が挙げられます。
- 残業代が出ないのでサービス残業が増える
- 年俸が低いとその年のやる気が出ない
本来、年俸制と残業手当自体は本質的には関係なく、年俸制でも残業手当は支払われる義務があるのですが、例えば月給制の会社から見込み残業を含む年俸制の外資系企業に転職した場合などは、実質的に残業代として支払われる金額はゼロになるか、あるとしても大幅に減る形となりますので、それが納得できないという方もいらっしゃるようです。
また、年俸制の場合、1年間の総支給額は初めに決まってしまいますので、一度低い査定を受けてしまうと、その年はいくら成果を残しても毎月の支給額は変わりません。
中には半期年俸制など、評価サイクルを短くしている企業もありますが、少なくとも1年間は給与が上がる見込みがないことでモチベーションを下げてしまう方もいるようです。
給与体系は事前にしっかり確認しよう
外資系企業の人事制度や給与体系は日系企業とは大きく異なることが多いので、応募企業や入社企業を決める際には、必ず事前に仕組みをしっかりと確認するようにしましょう。
また、外資系企業の場合、福利厚生面なども日系企業とは異なりますので、見かけの提示年俸額の高さに惑わされることなく、その他の各種手当や福利厚生制度がどのようになっているのかなどを、トータルで検討して判断するのが良いでしょう。
そして、こうした詳細な情報についてはなかなか個人で情報収集するのが難しいので、外資系企業の求人に強い転職エージェントを活用するのがおすすめです。
特におすすめできる転職エージェントとしては、下記の3社が挙げられます。
いずれもグローバル展開している転職エージェントで外資系企業と豊富なネットワークを持っている上、過去に外資系企業で働いた経験を持つ転職希望者からヒアリングした個別企業に関する情報もかなり蓄積されているので、給与体系や実際の給与事情といった、なかなか外からでは知ることができない内部情報についてもしっかりと情報提供してくれます。
入社後に後悔することが無いように、ぜひ積極的に活用してみましょう。