成果主義

成果主義

外資系企業の多くでは、人事評価をする際に、成果主義という考え方を取り入れています。

成果主義とは、社員の評価を業績・成果のみによって行い、本人の努力や業務プロセスなど、成果を出すための課程については評価の対象とせずに報酬を決定する考え方のことを指します。

成果主義は良く能力主義と混同されることもありますが、実際にはこの両者も大きく異なります。

成果主義はあくまで成果を評価の対象とし、本人が持つ能力などは評価と関係がありませんが、能力主義の場合は、本人が持つ職務遂行能力を、経験年数や知識、態度、施印材能力などから判断し、評価の対象とする形となりますので、両者は全く別物の人事制度だと言えます。

外資系企業においては、アメリカ系企業が特に成果主義的傾向が強く、成果を出せない場合には短期間でレイオフ(雇用契約の解消)となることもあります。

成果主義のメリット

成果主義の代表的なメリットとしては、下記の点が挙げられます。

  • 成果を出せば報酬が上がるため、向上心を維持しやすい
  • 業務の責任が明確となる

成果主義の最大のメリットは、やればやっただけ、自分自身の報酬として跳ね返ってくるという点でしょう。成果主義の場合、年功序列制度とは異なり、高い成果を出している社員とそうでない社員の間には明確な報酬差がつきますので、その分やりがいにもつながりますし、向上心を持って業務に取り組むことができます。

また、成果に基づいて評価をするためには、各人の業務範囲や責任を明確化しておく必要があります。外資系企業では「ジョブ・ディスクリプション(職務記述書)」と呼ばれるものがありますが、これも成果主義システムには必須の仕組みだと言えます。

予め定められた自分のミッションに対して最大限のパフォーマンスを出すことに集中でき、成果を出せばその分報酬に跳ね返ってくるので、成果を出すことに自信がある方にとってはこれ以上ない人事制度だと言えます。

成果主義のデメリット

逆に、成果主義にはどのようなデメリットがあるのでしょうか。良く挙げられることが多いデメリットの代表例としては、下記が挙げられます。

  • 社員間の協力関係の希薄化
  • 評価基準が明確化できないことも
  • 成果を出すための過重労働も

成果主義を導入している企業では、各人が自身のジョブ・ディスクリプションに沿って成果を最大化するために業務に励むこととなります。社員同士が競争環境となるケースもありますので、結果として他の社員への協力や、知識の伝達などが阻害されるケースもあります。

こうして個人主義が悪い方向に進んでしまうと、結果として組織としての業績パフォーマンスは最大化されず、囚人のジレンマに陥ってしまいます。

こうした事態を防ぐために、多くの企業では目標管理をする際にチーム全体の業績を評価項目に取り入れるなどして、各社員がチームワークを重視した働き方をできるように工夫をしています。

また、成果主義は営業職などのように成果を明確に数値として測定できる場合には比較的問題は起きにくいのですが、会社内の全ての業務の成果を数値指標として測定することはできません。

成果を数値化しにくい場合には、どうしても評価に評価者の主観が入ることとなります。そのため、外資系企業においては、実際には成果そのものよりも、いかに評価者であるボスに対して自身の成果を上手にアピールできるかのほうが重要だと言われることもあります。

そして、特にアメリカ系企業にありがちなのですが、成果を出すためには残業や長時間労働も厭わず、ひたすら昼夜を問わず働き続けるような働き方が常態化している企業もあります。

成果主義にも色々な種類がある

外資系企業の多くは成果主義を導入していますが、実際の人事制度の詳細については企業によってそれぞれ特徴があります。

成果主義と能力主義を組み合わせており、階級が上がれば上がるほど成果の評価割合が高くなるような段階的な成果主義を導入している企業もありますし、成果についての考え方も企業によって様々です。

人事評価の仕組みは働くモチベーションや給与にも大きく関係してきますので、入社を決める前にしっかりと理解しておくことが重要です。

実際に各企業がどのような人事評価制度を取り入れているかについては外部からはなかなか分かりませんので、転職エージェントを活用して情報収集するのが一番です。

外資系企業の求人に強い転職エージェントであれば、各企業の人事評価制度の詳細や給与体系などについても熟知していますので、ぜひ興味がある企業の内部情報を教えてもらいましょう。

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