外資系化粧品・コスメ業界の求人
ここでは、外資系化粧品メーカーへの転職をお考えの方に向けて、外資系化粧品メーカーの特徴やメリット・デメリット・代表的な職種、企業などについてご紹介していきます。興味をお持ちの方はぜひ参考にしてください。
外資系化粧品メーカーの転職市場動向
日本は化粧品市場において世界第2位、スキンケアに限って言えば世界第1位の規模を誇る巨大なマーケットがあり、外資系化粧品メーカーの多くが日本市場を重要な拠点として位置付けています。本国の売上よりも日本市場の売上のほうが多い外資系化粧品メーカーも数多くあります。
化粧品業界は景気の変動を受けづらく、比較的安定して求人活動を行っています。外資系化粧品メーカーの場合は基本的に職種別のスペシャリスト採用がメインで、未経験からの採用枠はほとんどありません。
職種経験はもちろん、化粧品業界の経験者だけを対象とする求人も多くあり、中には化粧品業界の中でも同一価格帯のブランドを経験してきた人材だけを対象とするケースなどもあります。
また、化粧品業界は女性が多いため、常に結婚や出産などに伴う欠員が定常的に発生します。そのため、日本の化粧品業界全体の市場規模が伸びているわけではないのですが、転職市場には常に欠員を背景とする新規採用求人が一定程度存在しています。
外資系化粧品メーカーのほとんどは主要な販売チャネルを百貨店に置いていますが、昨今では百貨店業界自体の売上不振なども影響しており、自社で路面店の展開を進めたり、ECサイトを用意して通販事業を始めたりするケースも増えてきています。
そのため、ECマネジャーなど、新たな職種に対するスペシャリストのニーズも高まってきています。
外資系化粧品メーカーの特徴
外資系化粧品メーカーの主な特徴としては、下記が挙げられます。
- 百貨店が主要な販売チャネル
- インポートかローカライズか
- グローバルにおける日本の存在感は高い
百貨店が主要な販売チャネル
外資系化粧品メーカーの多くはラグジュアリーコスメブランドを中心に取り扱っており、百貨店・デパートが最も主要な販売チャネルとなっています。
化粧品業界全体で見ると、百貨店経由の売上は全体の10%もありません。化粧品市場の売上の多くはコンビニエンスストアなどで販売されている低価格帯の「バラエティコスメ」が牽引しています。
しかし、外資系化粧品メーカーの多くは自社製品のブランド戦略を強く意識して販売チャネルを選定しているので、必然的に高級百貨店に美容部員を配置してセールスする、というスタイルが中心となるのです。
但し、最近では百貨店の売上停滞を受けて独自に新たな販売チャネルを開拓する外資系化粧品メーカーも増えてきています。
一部の小売店への限定展開、美容院との提携、路面店の展開、自社直販ECサイトの展開、訪問販売など、販売チャネルを多様化し、チャネルの特徴に合わせて上手にブランドや製品を使い分けながら販売しているケースが見られます。
代表例で行くと、フランス系化粧品メーカーのロクシタンなどは、百貨店だけではなく路面店をメインの販売チャネルに置いており、売上を大きく伸ばしています。
インポートかローカライズか
一言で外資系化粧品メーカーと言っても実際のビジネス形態は様々であり、大きく分けると下記の3タイプに切り分けられます。
- 日本にR&D拠点を持ち、ローカライズ商品を企画・開発している
- 企画だけ日本で行い、開発は海外拠点
- 企画・開発ともに本国で行い、日本はインポート販売のみ
グローバル化粧品市場において日本は非常に巨大で重要なマーケットである点、化粧品・コスメは国によっても消費者の悩みやニーズが異なる点などを理由に、日本に独自のR&D拠点を持っており、日本向けにローカライズされた商品を企画・開発している外資系化粧品メーカーもあります。ロレアルなどはこの代表例です。
また、中には商品の企画だけは日本で行い、実際の開発は海外拠点で行っているケースもありますし、商品は100%本国で企画・開発し、日本市場ではインポート製品として販売だけを行っているケースもあります。
外資系化粧品メーカーがどの形態で日本市場においてビジネス展開をしているかによって求人ラインナップも変わってきますので、希望するブランドの進出形態についてはしっかりと把握しておくとよいでしょう。
グローバルにおける日本の存在感は高い
前述のように日本の化粧品市場は世界で見ても巨大な市場であり、売上規模で見るとアメリカに次いで日本が二番目、本国の売上よりも多いというケースは決して珍しくありません。
また、日本の消費者は品質に対しても非常に厳しい目を持っているため、日本市場のR&Dで生まれたイノベーションやアイデアがグローバルで展開されるというケースもありますし、日本におけるマーケティングやプロモーションの成功例が社内のグローバルカンファレンスで共有され、他国で展開されるといった事例もあります。
化粧品業界の外資系企業においてはグローバルにおける日本支社・日本支店のプレゼンスが高い傾向があり、本国に対しても強い発言権を持っている企業もあります。
外資系化粧品メーカーの魅力
外資系化粧品メーカーで働く主な魅力としては、下記が挙げられます。
- 外資系ブランドの優れたマーケティング戦略が学べる
- 他業界へのキャリアアップも可能
- 日系の大手化粧品メーカーと比較すると給与は高め
外資系ブランドの優れたマーケティング戦略が学べる
外資系化粧品メーカーはどの企業もブランド戦略・マーケティング戦略に非常に力を入れており、マーケティングマネジャーやブランドマネジャーなど企画部門のトップから、現場で顧客と接するカスタマーセンター、美容部員に至るまで全てのスタッフが、自社ブランドを守るための高い意識を要求されます。
こうした環境の中で働くことで、なぜ外資系化粧品メーカーは不況下においてもラグジュアリーブランドとして売上とファンを維持することができるのかという、ブランドづくりやマーケティングのエッセンスについて多くを学ぶことができるでしょう。
他業界へのキャリアアップも可能
外資系化粧品メーカーで勤務経験があれば、化粧品以外の一般消費財業界の外資系企業へ転職をする際も非常に有利になります。
実際に、外資系化粧品メーカーから外資系アパレルへの転職、外資系食品メーカーへの転職、といったケースも頻繁にありますので、将来的には異業種へのキャリアアップも視野に入れているという方にとってもおすすめです。
日系の大手化粧品メーカーと比較すれば給与は高め
外資系化粧品メーカーは、日系の大手化粧品メーカーと比較するとかなり給与は高めとなっています。仕事内容はほぼ変わらないにも関わらず給与が違うことも多いので、日系の大手化粧品メーカー出身の方が職種はそのままで外資系化粧品メーカーへと転職するケースもよくあります。
外資系化粧品メーカーのデメリット
次に、外資系化粧品メーカーで働くことのデメリットについてもご紹介していきます。ぜひ良い面だけではなく悪い面もしっかりと理解した上で転職するかどうかを検討しましょう。
- 雇用の流動性が高く、安定性は低い
- 売上マネジメントが厳しく、疲弊することも
- 華やかなイメージと、現実とのギャップ
雇用の流動性が高く、安定性は低い
外資系化粧品メーカーは、女性スタッフが多い、売上管理が厳しい、プロモーションサイクルが短く、常に結果を求められ続ける、など様々な理由で、雇用の流動性は高い傾向があります。
現場の美容部員はもちろんですが、マーケティングマネジャーやプロダクトマネジャーなどの企画部門でも頻繁に人材が入れ替わっています。
売上マネジメントが厳しく、疲弊することも
そもそも化粧品業界はアパレル業界以上に売上管理が厳しく、店舗単位で目標を持つのが一般的なアパレル業界とは違い、化粧品の場合は個人単位で目標を持つためより辛い、といった声を聞くこともあります。
その中でも外資系の化粧品メーカーはより売上に対してシビアな姿勢の会社が多く、現場の美容部員からマーケティング・セールスのマネジメントクラスまで、スタッフ全員に高い売上意識が求められます。
日本市場のプレゼンスが大きい反面、日本ブランチにかかっている期待や要望も大きいので、高いプレッシャーの中で働き続けることに疲弊してしまう方も少なくないようです。
華やかなイメージと、現実とのギャップ
外資系化粧品メーカーというと、どうしても華やかな業界をイメージしてしまいます。
確かに、外資系広告代理店とタッグを組んだ大規模なマーケティングプロモーション、新製品のプレス、記者会見、セレブや芸能人とコラボしたイベントの展開など、本当に華やかな仕事もありますが、もちろん外資系化粧品メーカーで働く方々の全てがそうした仕事に携われるわけではありません。
百貨店で働く現場の美容部員であれば、日々の接客業務と売上目標は非常にハードですし、化粧品のように直接肌につける商品の場合、消費者もより品質に敏感になりやすいので、カスタマーサービスもかなり大変な部署となります。
マーケティングやプロモーションなど企画部門は常に本国からの売上と利益のプレッシャーにさらされていますし、商品開発部門は薬事関連法規と向き合いながら地道に進めていく必要があります。
更に、外資系化粧品メーカーの多くは人気が高く常に応募者が殺到する、退職・欠員も多く常に採用し続ける必要があるため、HRマネジャー、HRアシスタントなどは一年中全国をかけずり回っていることも珍しくありません。
華やかなイメージが先行する外資系化粧品メーカーですが、実際の現場では高いプレッシャーとハードワーク、プレッシャーの中でストレスを溜めてしまい、退職に至るケースも少なくありません。また、社員の多くが女性であり、人間関係に悩む方も多いようです。
代表的な職種
外資系化粧品メーカーにおける代表的な職種としては、下記が挙げられます。
ショップスタッフ系
オフィススタッフ系
商品生産系
管理部門系
代表的な企業
ここでは、日本に進出している代表的な外資系化粧品メーカーをご紹介します。
ロレアルグループ
LVMHグループ
エスティローダーグループ
その他
上記以外にも、日本には数多くのラグジュアリーコスメブランドが進出しており、各社ともにそれぞれロイヤルカスタマーを抱えています。
常に希望するブランドの求人があるとは限りませんので、気になるブランドがある方は、ぜひ転職エージェントを活用して最新の求人情報を常に入手できる状態にしておくと良いでしょう。
こんな方におすすめ
下記にあてはまる方は、外資系化粧品メーカーで働くのがおすすめです。
- 数字・成果を出すことに自信がある
- ハードワークに耐えられる
- マーケティング・ブランド戦略を学びたい
外資系化粧品メーカーは短期間で成果を求められることが多く、比較的残業が少ないと言われる欧州系の企業であってもハードワークが常態化していることもよくあります。そのため、数字や成果に対する自信はもちろん、肉体的・精神的なタフさも求められます。
こうした様々なプレッシャーや大変さも含めてやりがいを感じられる方であれば、憧れのブランドに携わることができる外資系化粧品メーカーへの転職は非常に魅力的な選択肢だと言えるでしょう。
また、マーケティングやブランド戦略などを学びたい方にとっては非常に魅力的な環境だと言えるでしょう。
外資系化粧品メーカーへの転職を成功させるポイント
外資系化粧品メーカーへの転職を成功させる上で意識しておきたい主なポイントは下記となります。
- 応募前の事前調査と準備を徹底する
- 英語力は必須
- 転職エージェントを活用する
外資系化粧品メーカーは、外資系企業志望の女性の方にとって非常に人気がある就職・転職先ですので、有名なブランドであればあるほど、多くの候補者と数少ない採用枠を争うことになります。
そのため、自分の志向性や働き方に合うブランドを見極めるという目的だけではなく、選考の合格率を上げるためにも、事前の調査と情報収集を徹底し、しっかりとした対策を立てることが重要です。
具体的には、希望する外資系化粧品メーカーの主要ブランドや売上状況、販売チャネル、ターゲットカスタマー、競合優位性、商品開発体制、グローバルにおける日本市場の位置づけなどをしっかりと研究した上で、過去の経験やスキルとの共通点をしっかりと洗い出し、アピール材料を用意することが重要です。
また、多くの求人ではビジネスレベルの英語力が求められますので、英語力に自信がない方は早めの対策が必要となります。
そして、外資系化粧品メーカーは基本的に転職エージェントを活用して非公開求人形式で採用活動を行うことが多いので、複数の転職エージェントに登録しておき、欠員が発生したら最新の求人情報がすぐに手元に入ってくるような体制を作っておくことが重要です。
外資系化粧品メーカーに強い転職エージェント
外資系化粧品メーカーに強い転職エージェントとしては、下記の3社が挙げられます。
いずれの企業もグローバルに拠点展開をしており、外資系企業との強いパイプを持っている転職エージェントです。特にオフィススタッフ、管理部門、マネジメントクラスの非公開求人が充実していますが、美容部員、ショップスタッフクラスの求人を募集しているケースもあります。
外資系化粧品メーカーに特化した選考対策なども実施してくれるので、ぜひ上記の会社を上手に活用して憧れのブランドへの転職を実現しましょう。